奄美大島周辺はいま、クジラがやってくる時期で、ホエールウォッチングが人気となっています。奄美大島沖で先日、出産前後の様子を捉えた貴重な映像が撮影されました。
今月16日の午前、奄美大島北部の沖合で撮影されたザトウクジラです。おなかから出ているのは、生まれる直前の赤ちゃんクジラの尾びれです。
その、およそ2時間半後。寄り添う母クジラといっしょに生まれたばかりの赤ちゃんクジラがさっそく元気に泳いでいる姿が撮影されました。母クジラからは出血などが確認され、この2時間半の間に出産したとみられています。
興会長によりますと、ザトウクジラの出産前後の様子が撮影されたのは国内で初めてとみられています。
(奄美クジラ・イルカ協会 興克樹会長)「本当は出てくる瞬間とか、そういうのを見たかったなというのはあるんですけど、母クジラと子クジラにストレスを与えることなく貴重な記録が撮れた」
奄美の海域は、いまがホエールウォッチングのシーズンです。例年、1月から4月ごろにかけてザトウクジラなどを見ることができます。
ホエールウォッチングのツアーは年々、人気が高まり、去年は過去最多の4961人が参加。19日も全国から訪れた観光客らがクジラを見つけ、うれしそうにしていました。
(東京からツアーに参加した家族)
「初めてだったけどクジラを見られて良かった。うれしかった」
「潮を吹いたり、テールが見られて感動した」
「楽しかった。大きかった」
奄美大島周辺に現れるクジラの数も年々増加傾向です。奄美クジラ・イルカ協会の調査では、おととし確認されたのは1097頭と初めて1千頭を超え、去年は過去最多の1767頭。興会長によりますと、今年も去年並みの出現頭数ということです。
奄美のホエールウォッチングは3月末から4月上旬ごろまで楽しめそうです。