鹿児島市喜入の女子高生が、地域に自分で自習室を立ち上げ、文部科学大臣賞を受賞しました。 「目立たず生きてきた」という女子高生が、自習室を作った理由とは。

20日、鹿児島市役所を訪れた志學館高等部3年の東琴乃さん。地域の課題解決などに取り組む高校生を表彰する国立青少年教育振興機構の「地域探究プログラム」で、最高賞の文部科学大臣賞に選ばれたことを下鶴隆央市長に報告しました。


(志學館高校3年・東琴乃さん)「私は喜入地域が大好きなので、地域に何かできることはないかと活動を始めた」

(下鶴隆央市長)「子どもを育てるときに、充実した学びの場があるということは、将来この地域を選んでもらえるかどうかを大きく左右する。非常にうれしい」

東さんはこの春、高校3年生になったばかりですが、ある肩書を持っています。それは、地元・喜入で活動する任意団体「喜入マナビバプロジェクトつわぶき」の会長です。

中高生の自習室を立ち上げた



中学時代に地元に自習をできる場所が少ないと感じていた東さん。それなら中高生なら誰でも無料で利用できる自習室「学び場」を自分たちで作ろうと、同世代の仲間と「喜入マナビバプロジェクトつわぶき」を立ち上げました。去年5月からテスト前の時期などに地元の会議室などを借りて自習室として開放する取り組みを始めています。


(東さん)「アンケートで、自習の場ができて助かる、集中できたと書く子がたくさんいて、やる意味があると痛感した」



そして活動はさらに広がり、理科の実験教室や天体観測会、地元の医師と協力して若い世代に向けたコロナワクチンに関するオンライン講習会も企画しました。


団体名に、合併前の旧喜入町の町の花、「つわぶき」の名を付けた東さん。地元・喜入への強い思いがあります。

喜入町は人口およそ1万530人。子どもが減少している校区もある中、東さんの活動は地域に勇気を与えています。

(東さん)「小さい時から地域の人に支えられてきたとの思いが強い。恩返しができたらと、喜入をテーマにした」

(探究活動を担当した教諭)「東さんはフィールドワークをしっかりして、それを継続している。高校生の域をとっくに超えている」

引っ込み思案「目立たないように生きてきた」けど・・・

積極的に活動する東さんですが、もともとは引っ込み思案だったといいます。


(東さん)「表に立つような人間じゃなくて、目立たないように生きてきた。高校で出会った友達がすごくキラキラしていたから、私も勇気を出して行動に移した」

東さんは3年生になり受験勉強もあるため、今年度は裏方に回りますが、地元での活動を今後にもいかしていきたいと考えています。


(東さん)「学んだことは一言で表せないくらいたくさんあって。将来は、街づくりにかかわる仕事につきたい」