誕生から数十億年? 大きさ、速度、軌道…特徴と観測状況

「3I/ATLAS」の直径は、440メートルから5.6キロメートルと推定されています。時速約21万kmという驚異的な速度で移動していて、太陽系に来た天体としては最高記録です。

時速21万キロは、秒速5センチメートルどころか秒速58キロメートル。東京から大阪まで約10秒で移動し、38万キロ離れた月へは2時間足らずで到着する計算です。

3I/ATLASの軌道 太陽系外から飛び込んできた NASA 

速度などから推測すると、誕生から数十億年経っていて、非常に長い時間宇宙を漂って、最近になって私たちの太陽系に到達したと考えられています。

 太陽系を横切るような軌道に見える NASA/JPL-Caltech

二酸化炭素、水、氷などを放出

ハッブル宇宙望遠鏡による観測では、「3I/ATLAS」の核から出たちりなどが彗星の尾のようになる兆候が確認されているということです。

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた「3I/ATLAS」

NASA・ESA(欧州宇宙機関)CSA(カナダ宇宙庁)のウェッブ宇宙望遠鏡による観測では、彗星は太陽に近づくにつれ加熱され、二酸化炭素、水、水の氷、一酸化炭素、硫化カルボニルを放出していることが明らかになっています。

ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線観測画像 中央の画像は二酸化炭素、右の画像は水蒸気の放出を示している