指宿市で行われた将棋界最高峰の「竜王」のタイトル戦で、藤井聡太竜王が初防衛を果たしました。鹿児島での初対局に県内は盛り上がりました。
先週、鹿児島に到着した藤井竜王の姿を一目見ようと、空港には多くの人が集まりました。
(将棋ファン)「素敵な方でした。藤井さんにぜひ鹿児島の地で決めてほしいが、広瀬さんにもがんばってもらいたい」
広瀬章人八段の挑戦を受けた竜王戦七番勝負は、藤井竜王が初防衛にあと1勝の王手をかけ、指宿に乗り込みました。解説会には、およそ80人の将棋ファンが集まりました。
(将棋ファン)「藤井竜王の手順がとても勉強になった。こういう機会がないので見られてうれしい」
初日のおやつに選んだのは、薩摩焼の皿に盛られた指宿産のイチゴのケーキ。この日のために考えられたこだわりの一品です。
(リストランテフェニーチェ パティシエ・高橋美帆さん)「県産の食材にこだわったケーキ。ファンも多いので、鹿児島の食材がもっと広がればいいなという気持ちが大きい」
対局前などに出されるお茶も、農林水産大臣賞を受賞した県産のものを南九州市茶業課の職員が煎れました。
(南九州市茶業課 東拓朗主査)「若い藤井竜王の口に合うかなと心配というか、楽しみに感じながら煎れました」
県産食材からも力を得た両者の対局は、2日目の午後5時すぎに藤井竜王が初防衛を決めました。
(藤井聡太竜王)「大変な戦いだったが、防衛という結果を出すことができてうれしい」
(将棋ファン)「感無量です。謙虚で強くてまったくおごらない。将棋を探求し続ける姿勢に惹かれる」
初めての指宿での対局の印象を聞かれると。
(藤井聡太竜王)「素晴らしい対局環境を用意してもらい、快適に対局できた。食事もおいしく、指宿での対局を楽しめた」
次のタイトル戦は、2017年に指宿で永世7冠を達成した羽生九段との王将戦で、来月、静岡県で第1局を迎えます。