鹿児島市は、錦江湾に浮かぶ新島と桜島を結ぶ定期航路について、来年度以降の運航廃止を検討しています。これに対し、島民らが存続を求める署名を市に提出しました。

下鶴市長あての署名を提出したのは、新島に暮らす唯一の島民佐々木直行さん・和子さん夫妻と、島の保全に取り組むNPO法人です。

新島は、桜島の北東に浮かぶ周囲2.3キロの小さな島です。交通手段は、桜島発着の市の連絡船のみで、週3回、1日3往復し、観光客なども利用しています。

しかし、北海道・知床半島沖で起きた観光船の沈没事故を受けて船の管理に専門の資格が必要となったことから、鹿児島市は「人材確保が難しい」として、来年度以降の運航廃止を検討しています。

島民らは存続を求める署名活動を行い、およそ2か月間で1万5676人分の署名が集まりました。

「よろしくお願いします」

(島民 佐々木直行さん)「生活の基本を脅かされると、最悪(島からの)撤退を考えないとならないという状況に追い込まれる」

市は、代替の交通手段として民間の海上タクシーの導入を目指しています。