トカラ列島近海で、地震がなぜここまで相次いでいるのか?専門家は、複雑な海底の地盤やプレートのひずみが引き起こしているとみています。

地震学が専門の鹿児島大学・八木原寛准教授です。
今回の一連の地震は、陸側のプレートの中の浅い場所で起きているといいます。
(鹿児島大学・南西島孤地震火山観測所 八木原寛准教授)「陸の下に海洋プレートが沈み込む場所であると同時に、西側には沖縄トラフという海底が開こうとしている場所がある。非常に複雑な場所であるのは間違いない」

八木原准教授によりますと、今、地震が相次いでいる陸側のプレートは、西側の沖縄トラフと東側の海洋プレートに挟まれています。双方の力でひずみがたまってプレートの弱い部分が繰り返し崩れ、それが地震になっているといいます。
(鹿児島大学・南西島孤地震火山観測所 八木原准教授)「地球の成り立ちのなかで、亀裂や小さな断層がたくさんあって、岩盤の強度が周りより弱いところなのかな」
今後、地震がどう推移するかは、予測は困難だといいます。2021年12月、悪石島で震度5強を観測した地震を例に、「同じような規模の揺れが来るおそれも想定して欲しい」と話します。
(鹿児島大学・南西島孤地震火山観測所 八木原准教授)「震度5強がくるかもしれないという心構えがまず必要。当時の記憶があれば思い出し、その時できていなかったことをやっておく。震度5強、あるいはそれよりも大きい揺れが来ても大丈夫なように、物の固定を先にやっておくことが非常に重要」