森林面積九州1位の鹿児島。林業を担う人材を確保しようと、県の「かごしま林業大学校」が10日、開校しました。父親の背中を追って林業の道を歩む19歳に、脱サラで飛び込んだ男性。それぞれの第一歩です。
10日、鹿児島大学で開かれた「かごしま林業大学校」の開校式には、18歳から53歳まで13人の一期生が出席しました。
「かごしま林業大学校」は担い手が減る林業の知識と技術を1年間学ぶ学校です。姶良市の「森の研修館かごしま」と、垂水市の鹿児島大学の演習林を研修施設として利用します。
新入生の1人、屋久島の時涼雅さん(19)。父親が屋久島で製材所を営んでいます。
(時涼雅さん・19)「父も林業に関わる仕事で、小さい頃から見ていた」
(父・寛之さん・51)「屋久島も人材不足なので、息子から『林業大学校に行きたい』と言われた時は本当にうれしかった」
父親の寛之さんは、加工技術の習得などに苦労した経験があり、林業大学校での涼雅さんの成長に期待しています。
(父・寛之さん・51)「(自分は)未経験から始めて3年間で資格を取得、(林業大学校では)1年間で現場経験も積めるのは非常に魅力的」
(時涼雅さん)「父とも仕事をしたいし、いずれ自分で林業の会社もつくりたい。屋久島の山、自然を守っていきたい」
こちらは、脱サラで林業の世界に飛び込んだ姶良市の上野剛さん(51)。高校を卒業後、東京の家電メーカー、芸能事務所などを経て、鹿児島の広告代理店で働いていました。
(上野剛さん)「前職で広告PRの仕事をしていて、山のプロモーションビデオ撮影ががきっかけ。そこから山に関わる仕事がしたいという思いがどんどん強くなった」
中学生と高校生の2人の娘の父親で、林業の道に進むことを家族に話しましたが…
(上野剛さん)「大反対された。『お父さんが自分勝手に好きなことをしていいのか』と娘に言われた」
「50になってようやくこれにかけたいという仕事に巡り合った。(家族に)後ろ姿を見てもらって、自分が登りたい山(目標)を見つけてほしい」
林業にかけるそれぞれの思いを胸に、新たな一歩を踏み出しました。







