寒い時期に食べたくなる果物と言えば、みかんですが、今シーズンは例年にない高値になっています。そのわけを取材しました。
鹿児島市の青果店に並んだみかん。去年の記録的な猛暑や台風の被害などで生育が悪く、入荷数が減ったため、例年より2割高くなっています。この日、みかんを買った客は開店から1時間で2人でした。
(客)「少ない、今年は出回る量が。去年はいっぱい出回っていたが」
(客)「高くなっているので、安いときは子どものおやつに買う。1日1個だけだと言わないと全部食べる」
農林水産省の調査によりますと、先月のみかんの販売価格は1キロあたり969円で、去年の1月に比べて250円値上がりしました。
こちらのスーパーでは昨シーズンは1パック5、6個入りで売っていましたが、今年は価格を399円に据え置いたまま、4個に減らしました。
(かごしま産直市場 池畠大二店長)「本来なら種類がある状況でもっと売り出したい品の一つ。購買意欲も価格が高くなりすぎると、出づらいので量を調整しながら販売している」
いちき串木野市の農園では、去年の猛暑でみかんがうまく実りませんでした。さらに…。
(記者)「こちらのみかんの木。上のほうは葉っぱがありますが、下のほうはほとんど残っていません」

生育不良に加えて、イノシシやシカに果実や葉っぱが食べられる鳥獣被害が深刻です。毎年4トンほどあった収穫量は、半分の2トンに減りました。
(みかん生産者 高橋さやかさん)「(収穫量は)半分になってしまった。(木の)下はイノシシやアナグマ、上のほうは鳥に食べられ、真ん中ぐらいしかとる場所がなかった。そもそも木にみかんがならなかったので、苦しい一年」
天候に左右されずに安定した収入が得られるよう、ジャムやお菓子などの加工品の販売にも取り組んでいます。
(みかん生産者 高橋さやかさん)「残った実を余さず加工品などに回して、少しずつ補いながら、少しでも来年につながるよう活動をしている」
市場関係者によりますと、みかんは3月から4月にかけても出荷量が少なく、高値は当分続くとみられています。