去年夏、福留さんは鹿児島の拉致被害者、市川修一さんの兄、健一さんと妻・龍子さんに直接、話を聞き、その内容を学校で発表しました。

しかし、その時に同級生およそ70人に拉致問題を知っているかをアンケートしたところ、回答が得られたのは4人だけ。関心の薄さに危機感を覚え、今年3月、学校に市川さん夫婦を招いて講演会も開きました。

福留さんは今月、指宿市で市川さん夫婦とともに署名活動を行いました。かたわらには、同じ作文コンクールで優秀賞を受賞した川内高校1年・羽島奈穂さんの姿もありました。

(市川修一さんの兄 健一さん・79)「人権問題に熱心に取り組むということは、素晴らしいこと、できないこと。これを生かしてこれからの人生をしっかり歩いてもらえばうれしい」
拉致問題にもっと関心を持ってもらうには?福留さんは、ノーベル平和賞授賞式のニュースを見て、1つのヒントを得ました。

(甲南高校1年 福留豪希さん)「被爆者の団体がノーベル平和賞をもらい、高校生などが一緒に活動をサポートしていた。それと同じ。若い世代がサポートしていくことによって、さらに活動の幅を広げられる」
被害者、家族ともに高齢化が進み、風化が懸念される拉致問題。若い世代も模索を続けています。