出水市の針原地区で21人が犠牲になった土石流災害からきょう10日で27年です。災害が発生した現場では、慰霊式が開かれました。

出水市針原地区では、27年前の1997年7月10日未明、集落の裏手の山が崩壊し、流れ込んだ土石流で21人が犠牲になりました。当時、出水市では災害発生前の3日間で400ミリ近い大雨が降り、土石流が起きたのは、雨がやんで4時間経ったころでした。

針原で起きたのは、大量の雨水がしみこんで地下深くに集中することで起きる「深層崩壊」と呼ばれる現象で規模が大きく、雨がやんだ後でも起こるリスクがあります。

10日開かれた慰霊式には、遺族や市の担当者ら74人が集まり、黙とうをしたあと、慰霊碑に花を手向けました。

(針原自治会 高岡俊雄会長)「未明に土石流が起きて夜が明けると、土石流で覆われた家々を目の当たりにし、悲しい気持ちになった」「突然、災害はおこるので油断のないよう、早めの避難や準備を心がけるよう、自治会の皆さんに伝達していきたい」

27年経ち、当時を知る人の高齢化が進む中、災害の記憶をどう引き継ぐか課題となっています。