高知県安芸市赤野で7月22日、23日に行われた「赤野獅子舞(あかのししまい)」。人口減少、コロナの影響で一時は存続の危機に陥っていました。復活から継承へ。地域の未来を繋ぐ人々の姿を追いました。
荒々しい獅子と「テガイコ」と呼ばれる白塗りの舞い手が滑稽に、時にシリアスに舞い踊り、境内は幽玄な世界へと変わります。


赤野獅子舞です

安芸市赤野にある大元神社。秋と夏の2回祭りで奉納される「赤野獅子舞」は600年以上の歴史を持ち、高知県指定無形民俗文化財に指定されています。魔除け、無病息災、五穀豊穣を願う祭礼で、赤野地区の6つの地域が毎年順番に行って来ました。しかし、人口減少やコロナの影響で2019年、活動休止となりました。

(赤野獅子舞保存会 代表 有光新五さん)
「本当に赤野獅子舞が無くなるという危機だったので、僕は獅子舞が無くなったらこの地域は終わってしまうんじゃないかという危機感を持って若い子にどうするでって。そしたら子どもたちが僕らが守るって立ち上がってくれて」

活動休止から4年後、2023年に復活地域や年齢を問わない形での再スタートを切りました。地元の若い世代や小、中学生に加えて、高知市からの参加者もいて、総勢25人が獅子舞に参加します。最年少はなんと3歳です!
祭りを前に、獅子をからかう「テガイコ」のメイクが行われていました。
地元の小学校に通う3年生の岡田芽久くん。今回、初参加です。

「見学に行ったのがきっかけで、この子も好きになってくれて始めました。
(安芸第一小学校3年 岡田芽久くん)
「(舞で)酔っぱらっちゃう所が好きです」
有光さんら保存会は、子どもたちに獅子舞を継承するため、教本や動画などを作成。祭り以外に学校や地域のイベントでも演舞を披露し、地域と赤野獅子舞の知名度をあげてきました。

大元神社には、赤野獅子舞を見ようと地元住民だけでなく県外、外国からの見物客も訪れていました。
赤野獅子舞は、獅子とそれをからかうテガイコが物語に合わせて舞うのが特徴。物語は「どじょうすくい」や「金太郎」などがあります。初参加の芽久くんは「ようたんぼ」で参加。ようたんぼは、酒に酔った村人が道端で眠っていた獅子をうっかり蹴とばしてしまいます。酔った勢いで気が大きくなった村人は、獅子の恐ろしさをもろともせず無謀にも獅子をからかい始めるという物語です。
しっかりと先輩と息を合わせて、芽久くんもユーモラスに演じます。

(安芸第一小学校3年 岡田芽久くん)
「初めてやったけど楽しかったです。走ったりする所が楽しかったです。何回もやってみたい」
保存会は今後、赤野獅子舞を軸として子どもからお年寄りまでが一体となり、そこに赤野地区以外からの仲間を加えて、新しい時代にあったコミュニティーができることを目指しています。

(高知市から参加)
「大人から子供までみんなが一緒になって仲良く踊れているので、そこがいいかなって思います」

(高知市から参加)
「伝統芸能に関われる事がないので、小さい時から地域に根付く文化に触れられるのはすごく貴重な経験だと思っていて。これからも続けさせてもらえたらなと思っています」

保存会代表の有光さんは、獅子舞が紡いできたつながりが地域の未来をつくるきっかけとなり、子どもたちが帰ってこられる場所になると話します。
(地元住民)
「一時は終わりかかってたけど復活してから子どもが頑張ってくれてうれしいですね」
(奈良県からの観光客)
「いったん、地域を離れたとしても、幼少期の思い出とか、自分が参加したすごいその熱が心に残っていて、戻ってくる。地域が好きで、自分がそこの一部と感じることができたのなら、(赤野獅子舞は)無くならないんじゃないかなと思う」
(赤野獅子舞保存会 代表 有光新五さん)
「赤野獅子舞を軸にみんなが関わる。もうこれからは人が減ることはわかっているので、自分らの地域だけじゃなくほかの地域の人と関わりながらこの伝統を残し、自分たちも若い世代を連れて他の地域へ行き関わりそういう形で地域や文化を残すというのが、これから大事やないかと思って。今、僕たちはそれへ進んでいます」
赤野獅子舞は年に2回、夏と秋に行われ、神輿行列のほか浜辺で獅子舞を奉納します。

若い世代を中心として文化を継承したいという思いを持った人たちが地域の枠を超えて集まる赤野獅子舞には、地方芸能の生き残りの形がありました。














