急な斜面が多いミカンなど柑橘類の農園で使うことができる農業用ロボットの走行試験が14日、報道陣に公開されました。

農業用ロボットの走行試験が行われたのは、愛媛県農林水産研究所に整備された広さおよそ1500平方メートルの実験用農地です。

ミカン農園を想定した急な斜面も設けられています。

公開された2台のロボットは、ともに運搬に用いられるもので、砂地の狭い路地やゴムのシートが引かれた最大26度の急斜面などで荷物に見立てた重りを積み込んで性能を確認していました。

このうち愛媛大学の開発したロボットは、地面の傾きを検知して自動で荷台を水平に保つ機能が備えられていて、荷崩れを防ぐことができます。

また、ベンチャー企業と国の機関が共同で開発したロボット「メカロン」は、自立走行が可能で、搭載されたレーザーセンサーにより作業者の動きに合わせて走ることができます。

これらのロボットは、幅1メートル程度の通路を設置することができれば、農園に大幅な改良工事を加えなくても導入できます。

愛媛県の担当者は、現在ミカン農園などで農業用モノレールと人の力で行われている作業の労力軽減になればと期待を寄せています。

愛媛大学大学院農学研究科 上加裕子 准教授
「ロボットで作業者のフォローをすることが最初のステップだが、将来的には自動で集荷する場所まで荷物を持って行くなどできれば人手不足などの問題もフォローできるのでは」

県農林水産研究所は、愛媛大学のほかに井関農機と共同で農業ロボットに関する国の研究事業に取り組んでいて、今後も改良を重ね実用化を目指したいと話していました。