ことし3月に発生した愛媛県今治市の山林火災。

焼け跡で進められている土砂流出対策工事のうち、山を流れる渓流の勾配をゆるやかにするための「治山ダム」の設置予定地が公開されました。

愛媛県今治市で3月23日に発生した山林火災は、隣の愛媛県西条市まで延焼し、焼損面積は481.6ヘクタールに及びました。

焼けた山林は保水能力が低く、雨が降った場合など、土砂災害が発生するおそれが高まることが懸念されています。

(東予地方局農林水産振興部・吉原千裕主幹)
「この下流域には人家もあるし、今治小松自動車道など公共施設があります。土砂流出の防止、2次被害の防止を緊急的にやらなけばならない」

12日公開されたのは、「長沢元瀬地区」で山の渓流に沿って建設が進められている「治山ダム」の予定地です。

ここは下流に集落があることなどから、県が優先的に整備を進めていて、合わせて3基が設置されます。

幅およそ25メートル、高さおよそ8メートルの「治山ダム」は、土砂などの堆積物をため込むことを前提として設置され、これにより、渓流の勾配が現在の10分の1程度にまでゆるやかになることが期待されています。

9月末に始まったこの工事は、来年3月末ごろの完成を目指して進められます。