愛媛県今治市の山林火災は発生から丸一日が経ちました。自衛隊のヘリも出動して消火活動が続けられていますが、炎の勢いは収まっていません。
今治市長沢の山林から激しく立ち上る真っ赤な炎。今治市は22日から乾燥注意報が出されていました。
夜になっても燃え広がり、23日夜8時ごろ、およそ25ヘクタールだった焼損面積は、24日朝8時にはおよそ119ヘクタールに拡大。
火災の拡大を受け、今治市は地元の長沢地区に、隣接する西条市は楠河地区にそれぞれ避難指示を出し、あわせて1011世帯、1887人を対象に危険な場所からの避難が呼び掛けられました。
(避難住民)
「燃えているところが見えた」
「怖い。『どうしよう』と言いながら(避難した)」
「早く収まってほしい」
県は災害対策本部を設置し、自衛隊に災害派遣を要請。
24日朝から自衛隊などのヘリ4機が上空からの消火活動を続けている他、山のふもとからは消防車による放水が行われています。
しかし、延焼が続き、山のあちこちから炎や煙が…
(男性)
「この風が吹いて、ずっと(火が)下の方に降りてきたら、民家がいっぱいあるからそれが一番心配ですね。はようおさまってくれたら一番いいんですけどね」
今治市では午後、一時的に雨が降りましたが――
(荒木リポーター)
「火災現場から直線距離およそ1キロの高台に来ています。パラパラと雨は振っていますが、火の勢いは衰えることはなく、煙は辺りに充満しています」
――延焼を抑えるには至っていない状況です。
午後2時半すぎの時点で焼損面積は145ヘクタールに拡大。消防によりますと、火は西の方向に広がっているということです。今のところ住宅への延焼のおそれはないということです。
また、火災によるけが人は確認されていませんが、出動中の消防団員1人が転倒して軽いけがをしたということです。
現場の近くを通るJR予讃線は今治と伊予西条の間で一時、運転を見合わせたほか、今治小松自動車道も現場付近で2度にわたり通行止めとなりましたが、いずれも解除されています。
県によりますと、ヘリによる上空からの消火活動は日没でいったん中断することになっていて、夜は、消防が延焼を食い止めるための警戒を続けるということです。