豆の価格が高騰するいわゆる“ビーンショック”は、チョコレートだけではありません。コーヒー豆も歴史的な高値が続いています。収穫量の減少も懸念される中、コーヒーに代わるあるものが注目を集めているようです。

ほっと一息つく癒しの時間に飲む人も多いコーヒー。今、値上げの波が押し寄せています。

松山市内にあるコーヒー豆の販売店。15か国25種類の豆を取り扱っています。

THREE FISH COFFEE ROASTERS 田窪裕司代表
「んー、しんどいですね。安いときを知っているから今の価格帯はちょっと…」

原産国での天候不順などの影響で続くコーヒー豆の価格高騰。去年11月には1977年以来47年ぶりに高値を更新しました。この店でも3月以降、モカなど一部の商品で30円ほどの値上げに踏み切ることに。

常連客
「状況を見るに致し方ないかなと思うので」

田窪裕司代表
「値上げは最終手段で考えていたんですけど、もう上げざるを得ない感じですね」

インスタントコーヒーなどにも影響が…。

ネスレ日本は、来月から80の商品で最大28%の値上げを発表。さらにUCC上島珈琲や味の素AGFも、3月から一部の商品で値上げを予定しています。

コーヒー豆の産地では気候変動によって将来的な収穫量の減少が懸念される中、今注目されているのがコーヒー豆を使わない、いわゆる“代替コーヒー”です。

去年8月には、アメリカの企業が手掛けた農業廃棄物を原料にして、緑茶のカフェインなどで香りを再現したエスプレッソが日本に初上陸しました。

“代替コーヒー”を提供する店は、愛媛県内にも。

伊予市内が一望できるロケーションが売りの店「もにこど2」では…。

近藤雅之アナウンサー
「ホットドリンクの欄に、ブレンド・アメリカンに次いで玄米コーヒーがあります」

こちらで提供しているのが、岡山から取り寄せたという玄米を焙煎した“代替コーヒー"です。

近藤アナウンサー
「コーヒー独特の苦みはそのまま。渋みや雑味は少ないのですっきりとした飲み口です」

食物繊維やビタミンが豊富で、コーヒーより胃腸などにやさしい点に注目し、15年ほど前から提供を開始。現在、コーヒーを注文する客の2割ほどが玄米コーヒーを選ぶといいます。

もにこど2 草間勲さん
「香ばしい香りが良くて飲みやすい。コーヒーがダメな方でも割と飲めるので、ブラックでそのまま飲んで楽しんでもらいたい」

コーヒー豆の価格はいつ落ち着くのか。

収穫量への不安も続く中“代替コーヒー”が新たな選択肢として定着するかもしれません。