父が突然死、母はがんに… それでも奨学金は“不採用”
あしなが奨学金の希望者は年々増加しているといい、中でも毎月3万円を給付する高校の入学者の申請は今年、全国で1800人と過去最多でした。保護者の半数が体調に不安があり、また、平均的な世帯収入の半分以下、いわゆる貧困状態だそうです。

希望者の増加により全ての支援は叶わず、今年の採用率は大学生と専門学生が約7割なのに対し、高校生は5割を切っています。愛媛県内でも高校の入学者39人が申請したものの、6割近い23人が不採用でした。
今年3月、松山市内で暮らす当時中学3年の男子生徒あてに届いた1通の手紙。

“慎重に審査した結果、残念ながら書類選考にて不採用と決定いたしましたので、通知いたします”(届いた手紙)
父親は、生徒が物心つかない1歳のときに突然死。そして、くしくも高校進学を控えた去年の秋、一家の大黒柱である母親がガンをわずらい休職を余儀なくされ、万が一に備え、あしなが奨学金を申請しました。ところが結果は不採用…。通知を受けた時、母親は幸い回復を遂げて職場復帰を果たしていたこともあり「仕方がない」と受け止められたといいます。
男子生徒は現在、高校に通っています。
あしなが奨学生 石脇茉青さん
「まだまだ、奨学金が届いていなくて学ぶことをあきらめてしまう人が数多く存在するので、そういった子どもたちを助けてあげたい思いで街頭募金に取り組んでいます」
高まり続ける奨学金のニーズ。経済的理由で学びをあきらめる子どもが少しでも減らせるよう、支援が求められています。