第63次越冬隊に同行し南極の過酷な自然や暮らしについて取材した岩手県の新聞記者が、27日、盛岡市内で母校の後輩に自信を持つことの大切さを語りました。

 真冬の昭和基地を襲うブリザード。建物と建物の間数十メートルを移動するにも必ずロープを伝って複数で行動しなければならずあっという間にゴーグルの中にまで雪が入り込んでしまいます。
 南極の貴重な映像を見せながら講演したのは岩手日報社国際部の菊池健生記者(32)です。
 菊池記者はおととし11月から今年3月まで1年5か月に渡り、第63次南極越冬観測隊を地方紙の記者として初めて同行取材しました。
 27日は自身の母校でもある盛岡市の岩手高校と岩手中学の生徒およそ350人を前に経験を語りました。
 幻想的なオーロラや、太陽が細かい氷の粒の間を通る際に発生する現象「映幻日(えいげんじつ)」など、極地ならではの自然の美しさをドローンを使った映像を交えながら説明しました。

(菊池健生記者)
「皆さんと同じくらいの年代の時に将来自分が南極に行くなんて思っていなかったです」

 菊池記者は高校時代の山岳部での経験が結果的に南極取材につながったと伝えた上で、自分を信じてまずは挑戦することの大切さを訴えました。

(生徒)
「楽しみは自分で見つけるというところ。僕も退屈とか思わず自分でやればいいと
思い出してやっていきたいと思います」
「南極を調べることによって自分たちが暮らしている世界のこと、例えば大気とかが分かると知って、南極を調査することの大切さとか少し身近に感じることができました。卒業生が行って調査に加わっていたことが誇らしく思いました」

 先輩の話を聞いた生徒たちは今の様々な取り組みが将来、意外な夢につながるかもしれないという可能性に、改めて気づいた様子でした。