岩手県北上市横川目の北上市立博物館和賀分館では現在「和賀分館新収蔵甲虫標本展」という企画展が行われています。

和賀分館は多くの昆虫標本を保管していることで知られており、毎年夏と冬に昆虫に関しての企画展を行っています。

ヒョウモンチョウ

今回の企画展では、北上市立博物館に北上市の楠城捷彦さんから2023年に寄贈された約660点のチョウの標本、奥州市の高橋泰美さんから2024年に寄贈された4540点のカミキリムシなどの標本、そして博物館が採集した1300点の甲虫、ガ、アブ、ハチなどの標本を展示しています。

楠城捷彦さんは北上市、遠野市、奥州市などを主として採集活動を行い、北上川周辺の平地性のチョウを多く採集しました。
展示されている標本の中でも珍しいのは現在なかなか見かけることが少なくなっているチャマダラセセリの標本です。

チャマダラセセリ。上が春型、下が夏型。

チャマダラセセリは春と夏で羽根の模様が変わります。
春後ろ側の羽根である「後翅(こうし)」に白い斑紋があるのが「春型」。
後翅に白い斑紋が少なくなるのが「夏型」です。
春型と夏型の後翅を見比べることができる標本はかなり貴重です。