男性の捜索にあたった猟友会関係者に当時の状況を聞きました。

話を聞いた男性によると捜索当日、猟友会を先頭にしたおよそ40人の捜索隊は二手に分かれて活動にあたりました。

(猟友会の男性)
「離れるなよ。3人か何人かでそば右左見ながら行けよって叫んだったんだ。言って間もなくドンドンっと音がして」

発見した遺体のそばには体長およそ1.4メートル、体重80キロのオスのツキノワグマがいて、捜索隊に気付いて逃げようとしたクマを猟友会が銃で撃ってその場で駆除しました。
本来のクマはこの時期冬眠に向けて体重が増えているはずですが…
遺体のそばにいたクマは…

(猟友会の男性は)
「襲った現場から100メートル離れないところに居るというのは、やっぱり自分がエサだと思っているんじゃないかなと思う。きのうクマを見たときは、今の時期としてはかなりやせていた」
相次ぐ2025年のクマの被害については
(猟友会関係者は)
「(今年は異常にクマの出没も多いのと、何よりも特にこの北上でそうい・・・)3人・・・ちょっと異常という言葉では済まされない」

野生動物に詳しい岩手大学農学部の山内貴義准教授は、今回駆除された個体の解体に立ち会いました。
(岩手大学農学部 山内貴義准教授)
「脂肪も腹内にはあったが10月中旬にしては少し少ない、ただ非常にがっちりして、体は筋肉質でがっしりしていたので、あれが人を襲ったらちょっとひとたまりもないかなと…」
今回の被害を含め人や里への被害が増えていることについては。
(岩手大学農学部 山内貴義准教授)
「(クマの)エサがないだけではく、今年のクマの特徴としては人慣れしている、人を恐れない。さらに行動が大胆になっている」
なぜ状況が変化しているのでしょうか。

(岩手大学農学部 山内貴義准教授)
「一つの原因としては、2年前の大凶作の時に相当親子の個体が里、市街地に出てきた。そのときに里のもの、人間の近くにいればおいしいものがあると学習してしまった若い個体などが今それなりの体の大きさになって、ちょっと行動を大胆にさせているのかなと」

また、岩手と秋田をまたぐ北奥羽地域県内では、特に北上市や花巻市のエリアではクマの個体数が急増しているという調査結果もあるということです。
山内准教授はこの先も被害への十分な警戒が必要な時期が続くと考えています。

(岩手大学農学部 山内貴義准教授)
「12月になっても冬眠しないで徘徊する、家の中に入ったり店の中に入ったり、場合によっては人にけがをさせるパターンがもしかしたら増えるかもしれない」