元宝塚俳優の園井恵子を語り継ぐステージが、彼女が幼少期を過ごした岩手町で28日開催されました。
地元住民らも宝塚OGと同じ舞台に立つ夢の舞台となりました。

「故郷、甘く懐かしい言葉です。岩手県は第一の故郷、北海道は第二の故郷、そして宝塚は今住んでいながら心の故郷なのです」

28日、岩手町で披露された森奈みはるさんら3人の宝塚OGらが出演した語りと歌、ダンスのステージ。
これは旧松尾村、現在の八幡平市で生まれ、幼少期を岩手町で過ごした元宝塚俳優・園井恵子の顕彰活動を続ける「園井恵子を語り継ぐ会」が2024年に続いて開いたものです。

園井恵子・本名袴田トミは宝塚歌劇団を退団後移動劇団・桜隊の公演先の広島で被爆し32歳の短い命を終えました。
岩手町川口には地域住民らの寄付によりブロンズ像が建立されています。

ステージの前日と当日、町民を中心とした20人のメンバーがダンスのワークショップに取り組んでいました。

2日間の猛特訓を受けて元タカラジェンヌと同じステージに上がるという特別な体験のためです。
園井恵子を語り継ぐ会会長の柴田和子さんは華やかな取り組みの裏に一人一人の平和を願う強い思いがあると言います。

(園井恵子を語り継ぐ会 柴田和子会長)
「やっぱり根底には平和でなければね、どんなことがあってももう寸断されちゃう。いくら夢、希望をかなえようとしても。そういう思いを皆さんわかってらっしゃる」

東京から夫の故郷の岩手町に越してきた松村つばささんは園井恵子のことを語り継ごうという強い想いが地域に根付いていると感じています。

(松村つばささん)
「住まいが(岩手町)川口にありますので、園井恵子の像ですとか、みんなが忘れない存在なんじゃないかなと思います」

元タカラジェンヌと一般住民が共演する特別な舞台が幕を開けました。
松村さんも思い切り練習の成果を披露します。

ステージでは町民合唱団も加わり園井恵子がつないだハーモニーを響かせました。

(来場者は)
「いや素晴らしいしね。私たちも参加してね。とにかく参加して語りついでいかなきゃ、本当」

(松村つばささん)
「少しでもダンスの活動を通して、園井恵子さんという方がいたんだなと思ってもらえるよう頑張りたいです」

(園井恵子を語り継ぐ会 柴田和子さん)
「時間の経過とともに記憶が薄らいできますよね。だからそれを続けていくっていうことはもう常に何か仕掛けていかないといけない」

語り継ぐ会では今後も様々な形で園井恵子のことを伝承していくことにしています。