岩手県大船渡市で発生している山林火災について、市は午後の会見で「沈静化している」としたものの、避難指示の解除を検討している赤崎町の一部地域の6日の解除はないと発表しました。

(きょうの会見)
「本日も鎮圧には至っていないところであります」

大船渡市によりますと、赤崎町の大船渡湾側の一部地域に加えて三陸町越喜来の甫嶺でも避難指示の解除を検討しているということです。
市は午後の会見で沈静化しているものの、避難指示の解除を検討している地域で白煙を確認したため、6日の解除がないことを明らかにしました。

5日降った雨で火の勢いは弱まったものの、合足など4か所で熱源が確認されたということです。
なぜ、今回の雨で鎮圧の判断がすぐされなかったのか。
元東京消防庁特別救助隊の田中章さんの見解は。

(元東京消防庁特別救助隊 田中章さん)
「腐葉土というものになるんですよね、非常に燃えやすいものになります。土の下がなかなか火が残っていて、残り火という。これがなかなか消えないという状態」

火災の現場となっている山には土の中に燃えやすい腐葉土が体積していて、地中まで燃えているため表面の火が消えていても内部はくすぶっている状態だといいます。

(元東京消防庁特別救助隊 田中章さん)
「スコップなどで(腐葉土を)かく拌させて中の残り火に対して、鎮火に持っていく地道な作業をしています。鎮火にならないと、住民の避難解除をして戻すってわけにはいかない」

6日午後2時半時点の焼失面積は、5日と変わらずおよそ2900ヘクタールとなっていて、建物被害は少なくとも78棟に上るということです。