衆参ダブル選挙の投票まで1週間を切りました。
ニュースエコーでは、シリーズ「衆参ダブル選・候補者を追う」と題して立候補した12人の戦いをお伝えします。
1回目のきょうは参院岩手選挙区の補欠選挙に挑む5人を紹介します。
参院岩手選挙区補選にはこちらの元職と新人、合わせて5人が立候補しています。
(吉田利也氏)
「本来であれば我々を向いて政治を行うべき」
参政党の新人で政党職員の吉田利也氏は出身地の岩手県陸前高田市をはじめ、気仙地区と党員の県議、市議がいる花北地区のほか、盛岡市を重点に街宣活動を実施しています。
20日も盛岡市の神子田朝市に出向き有権者との対話を通して知名度向上に努めました。
(吉田利也氏)
「車などでいろいろ周り、街頭を走らせていただいているのですが、街の方の反応というのも非常に好意的で。結構手を振って下さる方が多くて。特に若い方の反応が非常に高いなと思っています」
結党4年の新しい政党は保守傾向の強い層への浸透を図っています。
新人で政治団体「世問う国民党」代表の小田々豊氏の姿は20日、釜石市にありました。高知県在住の小田々氏の活動の拠点は、さまざまな資機材から生活用具までを積み込んだ2トントラックです。
選挙期間中、ほとんどここで寝泊まりしています。
(小田々豊氏)
「全く1人も知り合いがいないので」
見知らぬ土地での選挙活動に苦労は少なくありませんが、一方で手応えも感じています。
(小田々豊氏)
「どうでしょうね。結構、だから、会って話ができる人には手応え良いんですよ。だから、じわじわ手伝いしてくれる人も、少数ですけど出てきてくれています。『選挙ポスターをこのまちは貼ってやるよ』という人も出てきたし」
20日は公費で有権者に送ることができる選挙はがきの印刷作業を進めるなど独自の戦いを続けています。
新人の松島弘典氏は盛岡市出身で、政治団体「幸福実現党」の総務会長を務めています。
商社マンだった経験から政府の経済活動への介入を抑制して、民間企業に活力を与えるために減税を行うことを公約の柱としています。
(松島弘典氏)
「ただ消費税を上げない、下げると言っているだけではないんです。すべての税金を下げると言っています」
1回の街頭演説に30分をかけ、有権者に政策が届くよう丁寧な説明を心がけているといいます。
(松島弘典氏)
「届いているという感じは間違いなくございますし本当に頑張れという声が思った以上に多くて」
防衛や外交問題の訴えを通じて自民党を支持する層からの得票も見込んでいます。
立憲民主党の元職、木戸口英司氏は2年前の参院選の雪辱を誓います。
自民党を離党し公設秘書の給与をだまし取ったとして詐欺の罪で在宅起訴された、広瀬めぐみ元議員の辞職に伴う補選の意義を強調します。
(木戸口英司氏)
「岩手の皆さんにとってもやり直しの選挙。皆さまとともに、岩手の政治を立て直す」
過去2回の参院選同様に野党共闘を掲げ、与党を過半数割れに追い込み、政権交代を実現するため衆院選と連動して支持拡大を図っています。
きのうはかつて2人の関係について「一心同体」と表現した達増拓也岩手県知事も遊説に参加していて議席奪還に向けて負けが許されない戦いです。
無所属の新人、田中亜弓氏は元滝沢市議会議員で滝沢市内の動物保護施設の代表を務めています。
ペットの殺処分ゼロをはじめ、子どもからお年寄りまで保護されたネコやイヌと触れ合うことができる交流の拠点づくりといった公約を掲げています。
(田中亜弓氏)
「聞いて下さる方が高齢者の方も多くて直接ごあいさつに行くと、『これいいね』と言っていただいたりするので、そういった意味では望まれている、求められていることなのかなと」
有権者の反応に手応えを感じています。
2023年の岩手県議会議員選挙に挑戦し敗れた経験がありますが、県全域が範囲となる選挙戦は今回が初めてです。
すでに街頭演説は100回を超えていて、独自の政策で支持拡大を図る方針です。
詐欺罪で立件された広瀬元議員の辞職によって、岩手で1987年以来37年ぶりに行われる補欠選挙。

政権与党の候補者不在で野党と諸派、無所属の候補5人が争う今回の戦いは、各陣営の得票と衆院選の投票にもどのような影響を与えるのか。注目が集まります。