上川の上富良野町です。

(一心生産組合 村上昭平農場長)
「小さい豚は人工乳で、大きくなってきた段階で配合飼料という
 子実トウモロコシをメインに使った餌になります」】

養豚業を営む 村上昭平さんは、十勝岳のふもとで、豚を3000頭を飼育しています。

育ち盛りの子豚1頭が、1日に食べる飼料=エサは1キロ。

エサには「トウモロコシ」や油をしぼった「大豆のカス」が ミックスされていて
栄養価が高い 「配合飼料」が与えられています。


(一心生産組合 村上昭平農場長)
「 厳しいですね、この値上がり。やっぱり輸入物がほとんどなので」

ホクレンは、7月から9月期の「配合飼料」の価格を
1トンあたり 平均でおよそ1万1400円 値上げすることを発表。
過去最大の値上げです。

日本の「配合飼料」の自給率は、わずか12%。
そのほとんどは、アメリカ、ブラジルからの輸入に頼っています。


値上げの要因はまず「急激な円安」。
1月には、1ドル=114円でしたが、きょうは136円。
24年ぶりの円安水準で、これだけで およそ2割の 実質値上げ です。

さらに、世界4位のトウモロコシ輸出国の「ウクライナ情勢」、
新型コロナによる「食用油の需要減少」、原油価格の高騰による「船賃の上昇」など、
値上げの要因は複数に絡み合っているのです。

村上さんの養豚場が、1年間に使用する飼料の総額は「2億円」。

今回の値上げで、最大3000万円ほど負担が増える可能性があると
村上さんは、表情を曇らせます。

(一心生産組合 村上昭平農場長)
「 生産して出荷した分が、丸々本当に赤字になってくるくらいの
 値上がりになってきているかなと思います。
 結局(豚の)需給のバランスで決まってくるので、
 生産者が上げてくれと思っていても、やっぱり上げられない」


1枚のとんかつが、私たちを取り巻く、今の食糧事情を映し出します。

(7月5日 HBC「今日ドキッ!」6時台 もうひとホリ)