「スポーツのチカラ・まちのミライ」。今週、道内の民放5局が、それぞれ様々な角度からスポーツの持つ「チカラ」の可能性を探っています。
 12日はHBCの担当です。
 テーマは「スポーツと生きがい」。まさに98歳を迎えたばかりのバスケットマン。そして92歳の現役スイマーのお2人をご紹介します。

記者
「おはようございます…」
在間弘さん(98)
「おはようございます」

 札幌に住む在間弘(ありま・ひろむ)さん。大正14年1月19日生まれ。98歳の誕生日です。

妻・幸子さん
「おすしでも頼もうかと話していた」
在間弘さん
「取材を受けているから忘れられない日になった。朝から緊張していました」

 94歳の妻・幸子さんと送る健康で穏やかな毎日。その源は…?

 競技歴は、驚異の86年!在間さんは日本国内で最高齢のバスケットボールプレーヤーなんです。
 所属するのはシニアチームの「札幌ロートルズ」。平均年齢は73歳。およそ50人がともに汗を流しています。

62歳のチームメイト
「最年少です。62歳です。(在間さんは)スーパーマンじゃないですか?」
70歳のチームメイト
「いろんな年代の人が楽しんでバスケットボールをやれることはすばらしいなと思います」
在間弘さん
「居間、年寄り4人でパス練習やるから」
チームメイト
「(みなさんおいくつですか?)89歳!」
「88歳!」
「86歳!」

 4人合計で360歳オーバーの華麗すぎるパス回し!それぞれが笑顔で無理なく、大好きなバスケを楽しんでいます。

在間弘さん(98)
「今は練習を見ている方が長い。それでもこうやってみんなと週に1回会うだけで元気がもらえる」

 バスケ人生の始まりは12歳。その数年後には戦時下となり、バスケットボールは敵国のスポーツとして、さまざまな規制が敷かれますが、在間さんの情熱が消えることはありませんでした。

在間弘さん(98)
「(競技をやめたいと思ったことは?)ないね。バスケットはやっぱり僕にとっては、生きがいだったんだね、いうなれば」

 戦後、教員となり指導者としてバスケに没頭。当時の姿を捉えた貴重な映像がHBCに残されていました。

 1959年、フィリピンのチームを札幌に招いた国際親善試合。在間さん、この一戦にはレフリーとしてコートに立っていました。
 当時34歳。今から64年も前の出来事です。
 自宅には教え子や仲間から送られた思い出もびっしり。

在間弘さん(98)
「まさかこんなに長く生きれると思ってませんでしたから。体の続く限りね、皆さんの顔を見るだけでも、続けたいなと思ってます」

 札幌・豊平区にある「平岸プール」。ここには、キラリと輝く92歳のスイマーがいます。

「たぶんメダルですね、短水路大会」
「目標をあげるとすれば、95歳でまたチャンスがあるんです日本記録の」

 水泳サークル「札幌アスレチッククラブ」。週に1度の練習では、40代から90代まで思い思いのペースでスイミングを楽しみます。

90歳の女性
「生きていく上で体力を維持する大切な原動力、エネルギーです」
50代の女性
「(仲間と)コミュニケーションも取れますし、心が開けて、とてもいい社交の場」

 このクラブの最年長が堀居愛子(ほりい・あいこ)さん92歳。
 水泳との出会いは意外にも55歳のとき、それまで、スポーツとは無縁の生活でした。

堀居愛子さん(92)
「腰を痛めまして、腹筋と背筋を鍛えてコルセット代わりにするか、それができなかったらコルセット作りますか?って言われたんです。じゃあプールの教室を探そうって思って、あちこち探してたどり着いた」

 リハビリを兼ねて純粋に楽しんでいたスイミング。しかし、「旅行気分」で決めたドイツでの大会出場が人生を変えました。

堀居愛子さん(92)
 「私はドイツに行きたいばかりに泳ぐのはこっちに置いといてそういうつもりで行ったんですね。ところが最終日に800メートル泳いで、3位に入っちゃったんですよ。そこでちょっと目覚めました」

 その後は輝かしい成績の数々。82歳で年齢別リレーの世界記録を更新すると、91歳の去年には、5種目で日本記録を樹立しました。
 それでも、毎週プールに通う最大の理由は、ただただ純粋な思いから。

堀居愛子さん(92)
「週1日とか2日とか、ここに来るっていうことが90代になっても1人で暮らしていけるってことかなって、ありがたい存在ですよね、プールの仲間って。年齢関係なく話してくれることがうれしいですね(泳ぎ続けられる限りは泳ぎ続けたい?)そうですね。それがやっぱり、この年齢まで生きてきた証なのかしらね」

在間さんの妻・幸子さん
「ひと切れを半分ずつふたりで食べる」

 98歳を迎えたいまも、バスケットボールを続ける在間弘さん。妻・幸子さんの料理と少しの晩酌が毎日の楽しみです。

在間弘さん(98)
「小学校6年生でバスケットを始めてここまで続けられたことは、僕の人生にとってかけがえのないもの」

 年齢性別は関係なく、誰でも夢中になれることがスポーツの持つ大きなチカラ。
 そこから生まれる、人と人とのつながりこそ、このマチの明るいミライを照らしています。

在間弘さん(98)
「とにかく『100歳をめざせ』と皆、言ってくれるものだから、100歳まで、こうやって(チームに)顔を出せれば何よりだなと思う」


1月19日(木)「今日ドキッ!」午後6時台