2025年、札幌市の地下歩行空間で開かれたアイヌ民族への差別的な内容を含むパネル展の内容について、秋元市長は11日の記者会見で「市の認識とは違う」との立場を表明しました。

9日、札幌市役所を訪れたアイヌ民族や支援者。市のアイヌ施策課に抗議するためです。

アイヌ民族 木村二三夫さん
「アイヌモシリ(アイヌが住む大地)に限っては、アイヌ民族ファーストなんだよ」
怒りをあらわにするのは、アイヌ民族の木村二三夫さんたち。
パネル展に反対する女性
「今回の3月16日のパネル展示は中止ということを私たちは言いに来ている」

中止を求めているのは、保守系の団体が札幌駅前の地下歩行空間で開く予定のパネル展です。
「アイヌの史実を学ぼう!」と題したパネル展で、去年9月にも開かれました。

パネルにはアイヌが先住民族であることを否定するほか「北海道旧土人保護法」を称讃し、和人がアイヌを文明化したという趣旨の内容が書かれています。

主催者の「アイヌの史実を学ぶ会」伊藤昌勝会長
「アイヌが先住民族だと全然わからない。先住民族の定義がわからない」
アイヌの研究者は史実を曲解していて内容が差別だと指摘します。

アイヌ近現代思想史を研究 マーク・ウィンチェスターさん
「あたかも平等かのように和人と同じような土地が与えられていたというような理屈になっている。誤った解釈が展示されている」
こうした批判の中、今月16日、同じ内容のパネル展が再び開かれることがわかりました。

主催する団体は取材に「素人が学習で知りえた史実を自信半分・不安半分でパネルにしただけで、何かを主張したり非難したりするものではない」としています。
会場となる地下歩行空間は、多くの市民が行き交う公共施設。

アイヌ民族の木村さんたちは施設の使用を許可しないよう、札幌市に申し入れました。
パネル展に反対する男性
「今年同じようなことをされては困るという(アイヌ施策)課の立場はないのか?」
「おかしいでしょ。明らかに差別なんだから」

札幌市アイヌ施策課・熊谷大二郎課長
「この問題については、市長以下で既に共有して庁内で横断的に検討をしています」
話し合いはおよそ2時間に及びましたが、「パネル展を許可すれば市が差別に加担することになるのではないか」という木村さんたちの問いに職員は答えませんでした。

一方、秋元市長は11日の記者会見でパネル展の内容について初めて見解を明らかにしました。

札幌市 秋元克広市長(11日)
「これは札幌市の認識とは違う。公の施設の利用を承認したことをもって、市がその内容を支持するとか承認するものではありません」
一方、市の見解と異なっていてもパネル展に許可を出さないのは難しいと話しました。

札幌市 秋元克広市長(11日)
「差別的な表現への対応といったことについてのガイドラインなり判断基準というものを国として示してもらえないかと求めましたが、国は現状は難しいという答え」
政府は「差別を厳密に定義することは困難」と説明していますが、有識者による第三者機関を設置するなど具体的な対応が求められています。







