4月下旬、知床半島沖で観光船が沈没し、20人が死亡、6人が行方不明になっている事故で、第1管区海上保安本部は、来年にも運航会社の社長を立件する方針を固めました。

 この事故は4月23日に発生し、原因調査をすすめてきた国の運輸安全委員会は15日、船の甲板のハッチが事故の前から完全に閉まらない状態になっていて、海水が船の内部に流れ込むなどして沈没したとする報告書を公表しました。

赤丸が甲板のハッチと、外れたハッチのふたが当たり、割れた客席の窓ガラス

 捜査関係者によりますと、観光船の運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長は、こうしたハッチの不具合を放置して、出航を決めた疑いが強まったとして、第1管区海上保安本部は、業務上過失致死の疑いで、来年にも立件する方針を固めたということです。

ハッチのふたが当たり、割れた客席の窓ガラス(運輸安全委提供)

 

 また、豊田徳幸船長についても、容疑者死亡のまま業務上過失致死の疑いで書類送検する方針です。
 運輸安全委の報告書について、桂田社長は15日、取材に対し「今は、まだコメントできません」と一言だけこたえていました。