住民の熱い思いがついに行政を動かしました。札幌市豊平区の水車「ちょう」の名前が、29日から水車「まち」に変わりました。

馬場佑里香記者
「水車ちょうの表記がはがされ、下から、水車まちの新しい表記が顔を出しました」

29日、札幌の豊平区。28日まで水車「ちょう」だったこの地域は29日から、水車「まち」になりました。

旭水町内会 高橋恒夫会長
「非常に水車まちという名前に対して愛着がある」

なぜ名前を「まち」に変えることになったのか。議論の発端は40年以上前にさかのぼります。

「水車町(ちょう)」は1950年に誕生しましたが当時の公文書には読み方が書かれておらず、1979年の区画整理の際に公文書に初めて「水車町(ちょう)」が登場しました。

ところが、人びとは製粉事業などを支える水車がつくられた歴史にちなみ、この地域を「水車まち」と呼んでいました。

このため、道路標識に「水車ちょう」と書かれている一方、郵便局やマンションには「水車まち」の表記が見られ長く呼び方が混在していたのです。

水車町の住民
「水車まち『まち』の方がいい。呼びやすいでしょ」

水車町の住民
「自分の言い方は水車まちです。(旭小学校で)水車が回っているし」

住民の声を受け、町内会長の高橋恒夫さんは2年がかりで1000筆を超える署名を集め、市に名前の変更を要望。

市議会での議論を経てめでたく水車「まち」となりました。住民の要望でマチの名前が変わったのは札幌では初めてのことです。

旭水町内会 高橋恒夫会長
「なんとか水車まちを取り戻したいという、我々も含めた町内の皆さんの熱い想いが実ったなと、感無量です」

ようやく区切りがついた名前をめぐる議論。

これまで使われた水車「ちょう」の標識は地域の歴史を後世に伝えるため、町内会館に展示されるということです。