日本海に面した小さな町=北海道寿都町ではいま、町長選挙が行われていて、28日が投票日です。

住民を二分する「核のごみの議論」が始まって5年。全国初の文献調査は、マチに何をもたらしたのでしょうか。

10月23日。いつもは静かなマチに「黒塗り」のクルマがずらりと並びます。かけつけたのは、北海道後志地方のマチの幹部たちです。

拍手に迎えられ、姿を現したのは、7期目を目指す現職の片岡春雄町長(76)です。

・現職 片岡春雄候補(76)
「一部のメディアで核のごみを争点にしているようですが、寿都町の経済はどの産業も大変厳しい状況にあり、産業振興なくして、寿都町の発展はございません。洋上風力発電や地層処分に調査など国の政策に協力し、財源の確保を図ることが必要ではないでしょうか」

この日始まったのは、寿都町の町長選挙。

届け出順に、前町議会議員で新人の大串伸吾さん(42)と、現職の片岡春雄さん(76)が立候補しています。


・新人 大串伸吾氏(42)
「核のごみの概要調査をやめ、調査選定の抜本的改定を国に差し戻しましょう。多額の交付金があっても、国策に翻弄され、疲弊した寿都町民の姿は、私は幸せだとは思いません」

日本海に広がる寿都湾。その入り江にそびえるのは、町のシンボルの風力発電の風車です。このマチが、国のエネルギー政策に翻弄されて、5年が経とうとしています。