不審に思った男性が警察官に相談したものの警察官も詐欺を見抜けず、130万円を騙し取られた70代の男性が、北海道に損害賠償を求めた裁判が8日、釧路市で始まりました。
釧路市の70代の男性に電話がかかってきたのは2025年2月のことです。
「このままでは、あなたの携帯電話がつかえなくなります」
電話の主は、通信事業者の「アズマ」と名乗る男。
男性は、料金未払いの覚えが無く不審に思って電話を切らずに近くの交番に駆け込みました。
電話を代わったのは20代の巡査長。
「アズマ」と話し終わると男性にこう告げたといいます。

警察官
「相手はちゃんとした債権者です。対応しないと大変なことになります。あなたの対応も大変失礼だったようなので、ちゃんと相手に謝罪して対応してください」
警察官は、特殊詐欺を見抜けぬまま、男性を交番から帰したというのです。

その後もアズマを名乗る男らから「裁判中止費用」や「ウイルス除去費用」などの支払いを求められた男性は、あわせて130万円をだまし取られました。

詐欺の被害にあった男性は、救済措置について北海道警に尋ねましたが、「補償する制度は無い」と説明を受けたということです。

石黒拓海 記者
「男性は7月、精神的苦痛を受けたなどとして道に対しおよそ250万円の損害賠償を求める訴えを起こしました」
8日、釧路地裁で開かれた初弁論。

北海道は、請求棄却を求める答弁書を提出しました。
そして、北海道警監察官室はHBCの取材に「係争中につき回答は差し控える」とコメントしています。