札幌で貸し出しが始まった電動キックボード。
手軽さが魅力の一方、利用する際には安全運転が欠かせません。
札幌のマチを走る目新しい車体。
先週、貸し出しが始まった電動キックボードです。
利用者
「結構便利ですね。駅から家が遠いんですけど、ループに乗るとすぐ駅まで行ける」

ループ 岡井大輝社長
「スマホ一つで好きなところで借りれて、次の場所で返せる。オフィスビルやマンション、駐車場、カフェなど街中で乗り降りするようなステーション」
一方、道外では、電動キックボードの人身事故も起きています。
JAF 交通環境係
「オートバイや自転車と比べると、転倒しやすいという特徴もあることを知ったうえで運転していただきたい」
札幌の新たな交通手段として定着するのか、電動キックボードを深掘り取材します。
札幌で電動キックボードと電動アシスト自転車の貸し出しを始めたのは、全国で事業を展開する東京の企業「Luup(ループ)」です。
電動キックボードを試乗した人は…。
試乗した人
「電動自転車より楽ですけど、小回りが怖い。興味はあった。近くにあれば利用したい」
どんな乗り心地なのか、体験してみました。

アプリに身分証を登録し、交通ルールを確認する14の質問全てに正解するのが条件です。
堀内大輝アナウンサー
「こちらの車体についているQRコードを読み取って借ります」

堀内大輝アナウンサー
「手元にアクセルそして、ブレーキがあってウインカーもついていますね」
最高時速は20キロ。
16歳以上であれば、運転免許は要りません。
信号がある交差点を右に曲がるときは、2段階右折します。
堀内大輝アナウンサー
「信号が青になりました。ここで一旦止まります。次はあちらの赤信号が青になったら進むと」
「気持ちいいですね、風が。安定感もあります」
この日は1キロほど走ってみましたが、運転には少し慣れが必要かなと感じました。
料金は、基本料金が50円。1分あたり15円の時間料金がかかり、30分乗ると500円という計算です。
貸出や返却ができる駐輪場は50か所で、まずは40台が導入されています。

利用者
「交通バスを使うには近いかな、というところ(近隣の移動)で使いたい」
利用者
「初めて乗った。75歳でも乗れるかなと」
ループ 岡井大輝社長
「11月16日まで営業して、(2026年の)4月にまた再開するが、冬季期間を経ても料金を上げずに採算が取れる」
コートヤード・バイ・マリオット札幌では、近距離の移動手段として期待し、駐輪場を設置しました。

コートヤード・バイ・マリオット札幌 井上大輔さん
「宿泊客が今までタクシーでの移動だったのが、こういう移動に慣れれば便利かなと。そういった観点からも非常にいいのではないかなと思っています。ホテルも密集しているので観光で来られているお客様の足になれれば」
■「ループ」とは…
法律上は、特定小型原動機付自転車となっています。
16歳以上が運転できて、免許は不要です。
走れるのは、原則、車道ということになります。
ヘルメットは「努力義務」で着用ということです。
2025年は、札幌では雪が降る前の11月16日まで利用できます。
また、どんなところで乗れるかというと…
こちら、札幌市内の電動キックボードを借りたり返したりできる駐輪場の場所「ポート」と呼ばれるところです。

札幌には、約50か所設置されていて、北は地下鉄南北線の「北24条駅」、東は「JR苗穂駅」のあたり。
南は市電の南側、「山鼻地区」。
西は東西線「西28丁目駅」の近くと、かなり広い範囲だなという印象です。
■電動キックボードの課題
2024年2月、名古屋で起きた事故の映像です。

電動キックボードが歩行者の男性に衝突。
男性は鎖骨を折るなどの大けがをしました。
2024年、電動キックボードを含む特定小型原動機付自転車の交通違反は、全国で4万1246件に上りました。
また、事故で1人が死亡、350人がけがをしています。
こちらは、時速20キロで、縁石に突っ込んだ場合の実験映像です。

ヘルメットを着けていても、頭を骨折する恐れがあるといいます。
また時速6キロの低速でも、歩行者に当たれば、相手を転倒させかねません。
JAF事業課交通環境係・安藤純一係長
「歩行者が優先になりますので、無理な運転はしない。近づきすぎないというところも注意していただいた方がいいと。立って乗車しているので、どうしても頭のほうから道路に倒れこんで行きやすい。ヘルメットは必ず着用して運転していただきたい」
ループの場合、電動キックボードには危険行動を探知するシステムがついていて、逆走や禁止場所の走行を繰り返した場合には、運転者のアカウントを凍結して対応し、安全対策を強化するなどしています。