◆「1年後に別れたいって言われたら…」
八木原容疑者は、長谷さんと地元が同じ釧路市で、中学校の後輩で交際関係にありました。これまでの取り調べに、八木原容疑者は「長谷さんと交際関係をめぐりトラブルになった」という趣旨の供述をしていることがわかっています。

さらに八木原容疑者は、事件前、知人にこう問いかけていました。
「彼氏に1年後、別れたいって言われたら、あなただったらどうする?」
捜査関係者によりますと、八木原容疑者は長谷さんから、就職活動を理由に交際する期限を示すような「別れ話」をされたということで、警察は、事件の背景に別れ話のもつれがあったとみています。
◆暴行しながら暗証番号を聞き出し、十数万円を引き出したか
25日午後10時すぎ、長谷さんは自宅がある千歳市からJRを乗り継ぎ、江別市の八木原容疑者の自宅を訪れます。その後、2人は公園に向かうと、川村容疑者を含む5人と合流。そして事件は起きました。

6人は長谷さんに暴行を加えた後、長谷さんを放置し、八木原容疑者を除く5人は、川村容疑者の軽乗用車で札幌方向に向かいます。5人が乗ったとみられる軽乗用車は、26日午前3時過ぎ、付近の防犯カメラに記録されていました。

さらに5人には、長谷さんのキャッシュカードで現金を引き出した疑いも浮上しています。
捜査関係者によりますと、八木原容疑者を除く5人のうち数人は「被害者のキャッシュカードで現金を引き出した」「現金を分け合った」という趣旨を供述。札幌市内のコンビエンスストアの防犯カメラには、ATM(現金自動預け払い機)で現金を引き出す様子が記録されていました。
長谷さんに暴行を加えながら、暗証番号を聞き出したとみられ、引き出された額は十数万円に上るということです。
長谷さんのものとみられる衣服やリュックなどは、札幌市内の川から見つかっていることもわかりました。

逃走に使われた軽乗用車は、川村容疑者の釧路市内の実家で見つかっていることから、川村容疑者は、事件後、札幌市内の警察に出頭するまで釧路市に滞在していたとみられています。