コロナ禍で“家族葬”が広がり…電気代高騰も直撃

(日本花き生産協会 スプレーマム部会・髙橋央佳部会長)
「葬儀で使う花の本数が絶対的に減っているのが現実」

菊は日持ちがよく、出荷先のほとんどが葬儀や仏壇などへのお供え用ですが、コロナ禍では規模を抑えた家族葬が広がり、菊の需要が大きく減少。ある葬儀会社の調べでは、コロナ禍前におよそ4割だった家族葬が6割近くに増えたといいます。

悩みのタネは他にも。

(日本花き生産協会 スプレーマム部会・髙橋央佳部会長)
「重油暖房機から、電気のヒートポンプというエアコンに国の政策もあって、シフトしてきたが、ここにきて電気代が何年か前と比べると50~60%上がっている。そこが1番キツい」

電気代の他にもダンボールや花を包むフィルムなど押し寄せるコスト増の波。

こうした逆境の中、勝負をかけたのがこの「メリークリスマム」なのです。

高橋さんの「クリスマムの活動」を応援している仲間は。

(名港フラワーブリッジ 切花営業部・浅野光寿さん)
「今寒い時期なので、1か月ぐらいは(花が)もちます。『メリークリスマム』なんですけれど、お正月までもってしまう」

こちらは一番人気のバラに似た淡いピンクの花をベースにして、色とりどりのスプレーマムを豪華に配したリース。また、こちらのリースは3種類の赤色の花が深みのあるグラデーションを醸し出しています。

(日本花き生産協会 スプレーマム部会・髙橋央佳部会長)
「厳しい状況だからこそ、ピンチではなくチャンスととらえて、いろんな仕掛けをしていきたい」

「クリスマム」は菊の新たな需要を掘り起こす起爆剤となるでしょうか。農家の夢を乗せ、取り組みは始まったばかりです。