混迷する市長たちの対応


名古屋の河村市長は、検証を進めるために、まずは華子さんの事案で責任を明らかにすべきと主張しました。

(河村市長)
「個別の問題点というのは深掘りしないと。一般的に総論ばっかやっとったって、人の命は救われんですよ」

一方、組織づくりを取りまとめる立場の副市長は。

(松雄副市長)
「懲罰的に何か悪いことをあぶり出すような調査検証にはしたくない。新しい学校づくりの方に入っていくといいますか、もう“始末をつける”という形を考えています」

この発言に批判の声が上がります。

(西淵茂男教育委員)

「市長と副市長がさっき言ったみたいに、すでにやり方が食い違ってるような発言があったので、そこは詰めていただきたいと」

対し松雄副市長は、食い違っていないと何度も言い返します。



(西淵茂男教育委員)
「(再調査委員会の)提言の一番最初に何が書いてありますか?これまでいろいろ提言がでてきたけれど、教育委員会・学校で全く実行されていないというのが最初の書き方です。だったら真っ先にやらなくてはいけない」

(松雄副市長)
「それは僕も全部が全部は読めませんので」

事実の究明、責任の所在を曖昧にしたままの幕引きを巡り現場では混乱が続いています。

いじめの情報交換オンラインを開設


父親は、現役の教師らとともに、いじめに関するオンラインでの情報交換の場を作りました。華子さんのことでいじめは認定されたけど、最前線の現場では何も改善が進んでいない。「娘の死を無駄にしたくない」その思いからです。

(名古屋市内の教師A)
「トップダウンなんですよ。名古屋の学校現場って。本当に上を気にする。管理職は教育委員会を気にしてて」

(名古屋市内の教師B)
「大きな事件が起きる時って、市教委が応接室にやってきて、陣頭指揮をとってかん口令を敷くので、個々の先生の意思では動けない状況が、学校現場ではある」

小さいネットワークが徐々に大きくなり、最終的に大きなうねりになってくれたらいいと考えています。

国会でいじめに関しての議会答弁



国会で、華子さんのいじめに関して議会答弁が行われました。父親も家族で聞きに行きました。

(日本維新の会・梅村みずほ参院議員)
「教育委員会や学校の隠ぺい体質は大変深刻と考えている。きょうはこの委員会室に中学1年生でいじめを受けて、自殺した名古屋の女の子のご家族が傍聴に来ています。大切な人を亡くしたご遺族の止まった時計を動かすために必要なのは、まず真実を知ることです」

遺族が真実を知る必要性と重要性について岸田総理に答弁を求めます。

(岸田内閣総理大臣)
「ご遺族の事実関係を明らかにしたい、何があったのかを知りたい、こうした切実な思い、これを理解し、ご遺族に寄り添い対応に当たることはきわめて重要な姿勢であると認識しています」

(華子さんの父親)
「娘が命をかけてまで訴えたかったのだろうから、親として最大限にくみ取りたい。人が亡くなって問題があった時にどうするのかを一生懸命議論して、追及して解決して改善していく、それをずっと期待しているけれど、全然たどり着かない」

CBCテレビ「チャント!」6月21日の放送より。