繰り返すのは「教育」の恐ろしさです。
(元特攻兵 佐野博厚さん)
「小学校6年生の体験入隊。すでにこの頃から、国語の教科書の中に“兵隊進め”とか“肉弾三勇士”だとか、そういう軍国主義が教育の場で教えられていた」


教育勅語による徹底した軍国教育が行われていた日本。戦争は美化され日本の正しさや国のために死ぬことが尊いと教え込まれていたのです。
(元特攻兵 佐野博厚さん)
「将来は兵隊さんになるぞとか、休みには近所の友達と一緒に兵隊ごっこ、そういうことをやって遊んだり…」
1945年8月15日。来たる本土決戦に備えて配置されていた熊本県の天草で敗戦を知りました。
(元特攻兵 佐野博厚さん)
「偽の宣伝だと思った。日が経つにつれてそれを受け入れざるを得なくて、ついに負けたかと むなしかったね」
(大石アンカーマン)
「マルレの特攻って、今思うとどんなものだと思いますか」
(元特攻兵 佐野博厚さん)
「手段を選ばずに手当たり次第に特攻隊を編成して、今になればなんでこんな戦法をとったかなって思うけども、当時はそんなこと全然 疑問は一つもなかった」
マルレで命を落としたのは16歳から25歳の若者およそ1800人に上る。
(大石アンカーマン)
「改めて、戦争ってどんなものですか」
(元特攻兵 佐野博厚さん)
「愚かな争い」

終戦からことしで78年。
戦争体験者は年々減っている中、佐野さんはこう話します。
(元特攻兵 佐野博厚さん)
「若者に本当の戦争の姿や教育を伝える義務があると思う。受ける人が次の時代 また次の時代と申し伝えれば、平和な国家ができると思う」
(大石アンカーマン)
「もう一回少年時代を、人生をやり直せるならどうしたいですか」
(元特攻兵 佐野博厚さん)
「平和な道に進みたい。こんなことやりたくない。教育の怖さはつくづく今でも思い出します」