外国籍の子どもたちの支援は「日本社会の安定」にも必要不可欠

外国籍の子どもたちの「居場所」が他にもあります。愛知県犬山市にある日本語教室「寺子屋」には、午後4時過ぎになると外国籍の子どもたちが集まってきます。NPO法人「シェイクハンズ」が運営しており、週5日、午後4時から9時まで、スタッフやボランティアが宿題の面倒をみるなど、放課後学習を支援しています。

(NPO「シェイクハンズ」松本里美代表理事)
「お子さんが日本語がわからなくて、学校で勉強もわからないし、忘れ物が多いし、けんかも多いと聞いたものですから。もうとにかく、受け皿は作らなきゃいけないと思って」

代表の松本さんは、16年ほど前にボランティアで日本語教室を始めました。当初は数人だった子どもたちも、現在では、犬山市内に住む外国籍児童生徒の7割にあたる約80人が通っており、利用者は年々増えています。

(NPO「シェイクハンズ」松本里美代表理事)
「流ちょうに(日本語を)しゃべっているから大丈夫というのは全然違う。日本語が母国語じゃない子が普通に音読していても、わからない意味はいっぱいあるので。(学校の授業に)現実的に追いつくまで時間がかかるので、その間フォローをしている」

日本の学校の授業では、外国籍の児童・生徒が手厚い日本語指導を受けるのは難しいのが現実です。もし、日本語がわからない状態が続くと、不登校になってしまったり、孤立して犯罪に関わってしまったり、より数多くの問題を抱えることになります。そのため、日本語教室は外国籍の子どもたちにとっても、日本社会の安定のためにも、必要だと松本さんは話します。