将棋の藤井聡太七冠が、残るタイトル「王座」への挑戦権をかけて戦うトーナメント準決勝。

「史上初の七冠」羽生善治九段に勝ち、決勝進出を決めました。


将棋の8大タイトルで藤井聡太七冠が唯一残している「王座」。

28日、東京で「王座」への挑戦者を決めるトーナメントの準決勝に臨みました。

前人未踏の「八冠」を目指す藤井七冠に立ちはだかったのは、史上初めて七冠を達成した先輩で“将棋界のレジェンド”羽生善治九段です。


終盤まで互いに譲らない展開となりましたが、午後9時20分ごろ、羽生九段が123手までで投了。

藤井七冠はこのトーナメントで自身初の決勝戦進出を決め、タイトル挑戦まであと1勝としました。

(藤井聡太七冠)
「王座戦では、しばらく振るわない成績が続いていたので、今期ここまで進めたことは良かったと思う」

八冠への意気込みについて聞かれると。

(藤井聡太七冠)
「『棋聖戦』と『王位戦』の防衛戦もあるので、自分としては全く八冠を意識していないが、王座戦で決勝戦に進むことができたので、しっかり準備して次の対局に臨みたい」


一方、敗れたレジェンド羽生善治九段は。

(羽生善治九段)
「藤井七冠は、いろいろな手を指されていて、非常に勉強になった一日だった。(タイトル通算100期の)チャンスを作れるように頑張っていきたい」

藤井七冠との対局で学びを得たと語る羽生九段。

藤井七冠も王将戦で対局した際の羽生九段について。

(藤井聡太七冠)
「羽生九段の自分にはない柔軟さ、大局観を感じるところが多かったので。貴重な経験ができたシリーズだったと感じています」

32歳の年の差を超えて通じあう天才2人の対決でした。


「王座」への挑戦に王手をかけた藤井七冠。

決勝戦では渡辺明九段と愛知出身の豊島将之九段の勝者と対戦します。

勝てば9月ごろに開幕する王座戦五番勝負で永瀬拓矢王座に挑みます。

2023年に史上初の「八冠」を達成するには、現在、進行している「棋聖戦五番勝負」と7月に開幕する「王位戦七番勝負」で共に防衛しなければなりません。

負けられない戦いが続く藤井七冠。

7月3日には静岡県沼津市で棋聖戦第3局に臨みます。