▼身体が勝手に… 街では"変な人"と言われ トゥレット症と闘う就活生
神奈川県に住む酒井隆成さん(23)は自分の意思に反して声や体の動きが出てしまう「トゥレット症」という病と闘っています。症状は重く、箸を上手く持てなかったり、自分の名前を書くのも一苦労。突然現れる大きな声や体の動きに、街では驚かれてしまうことも…。

就活生の酒井さんは、大学時代に学んだ心理学を仕事にも活かそうと「医療」や「福祉」関連の企業を志望していました。
しかし面接中も体が動いたり、突然、大声を上げてしまう酒井さん。面接官には「静かにできないならウチで働くのはちょっと…」とやんわり断られてしまう日々が続き、取材中も内定を掴めずにいました。

相談のために訪れたハローワークでも、担当者がトゥレット症について知らず、どんな病気なのか“説明するところ”からのスタート。
トゥレット症の認知が、行政側でも進んでいないことを痛感したといいます。
そんな酒井さんは2022年12月、福祉関連のベンチャー企業の面接を受けることに。重度障害者の生活をサポートする会社で、社員の数は約10人。アットホームな雰囲気に惹かれたと言います。
当日、面接してくれたのは25歳の社長でした。
これまでの面接では、病気の説明に時間を取られてしまい、上手く自己PRができませんでしたが、この会社では病気について理解を示してくれた上で、自身の「人間性」の部分まで見てくれたと言います。
初めて感じた手応え。結果は…「内定」。ことし3月から正社員として働けることになりました。
実はこの時、面接を行った松野竜一社長(25)も、酒井さんに特別な思いを抱いていました。
松野社長が酒井さんを採用した経緯について綴った手記をCBCテレビに寄せてくれました。