東海地方を襲った記録的な大雨から1週間以上がたちましたが、愛知県の一部の集落では今も土砂崩れなどで孤立状態が続いています。

今月2日の大雨で、家屋への浸水など多くの被害が出た愛知県豊橋市。


(住民)
「もともとここは洪水が多い地域なので少しの冠水には慣れていたが、いつもとは別次元」

車が水没して男性1人が死亡した豊橋市の下条地区には、豊川の洪水被害を軽減するための「霞堤(かすみてい)」があります。

霞堤は江戸時代に城下町を守るために行ったとされる治水事業。大雨で川が増水した時に、堤防の切れ目から一時的に水を逃がすことで下流に流れる水量を減らし、大規模なはん濫を防ぐ役割があります。

そのため、下条地区は特に大雨が降ると浸水しやすく、今回の雨で家屋や農業用ハウスなどの浸水被害がでました。


(農家)
Qあのレベの大雨は困る?
「秋前に収穫前に来られてダメになるともうどしようもない。農業を廃業にしないと…。まだやり始めなんですけど」

その後、断続的に降る雨による新たな被害は今のところありませんが、住民の間では緊張が続いています。

また、今月2日の
記録的な大雨で愛知県の東三河地方では各地で被害が出ました。豊橋市では床上床下浸水は262棟。


山間部の東栄町では。

(記者)
「片側1車線が通れなくなっています。土砂がこれ以上流れ込まないように、道路脇に土嚢が積んであります」


町内の国道151号には大雨で土砂が流れ込み一時通行止めに。現在も車線規制が続きます。一方…


(記者)
「新城市内の国道151号ですが、この先通行止めになっていて奥で重機が作業している」

東栄町の南に位置する新城市内でも土砂崩れが発生。
道路の法面が崩れるおそれがあるため通行止めが続いていましたが、愛知県によりますと12日午後5時から片側通行が可能になるということです。


(東栄町民)
「浜松行くのにも豊橋行くにも大事な場所。(復旧が)いつになるのか懸念している」

さらに東栄町ではこんな影響が…

(古民家ダイナー月猿虎 河原和明さん)
「道路も止まってるしここまで来られないというか。先週の営業に関しては、いつものように町外からいらっしゃるお客さんはほぼない」

ここは、東栄町役場から車でおよそ5分の古民家レストラン。ジビエ料理が人気です。

通常のランチタイムは県内外の客で満席になるとのことですが、今月2日の大雨以降、遠方からの客はほとんどなし。予約のキャンセルが相次いでいるといいます。今回、浸水被害などはなかったものの今後の雨に不安があるといいます。


(河原和明さん)
「あれだけ降って山自体に水が含まれているから、ダメ押しで来るとまたどこか崩れてしまう。(災害の)心構えはあるが、さすがに前回の大雨はびっくりした」