「なくなると困ります」 広さも蔵書数も縮小
訪ねたのは、大幅縮小の対象にあがっている名東図書館。ここで利用者に話を聞いてみました。

(図書館の利用者)
「この(名東)区に住みだしたのも、自転車で子どもたちが行ける範囲に図書館があるというのがあったので、(なくなると)困ります」
「お金がかかるかもしれないけど。とてもつらいです」

施設の老朽化と図書館の利用者が市民の1割程度と低い状況が続く中、より市民が利用したくなる施設を目指すといいますが、現在およそ400坪、9万冊を取りそろえる名東図書館は、再編後は広さ90坪と4分の1以下となり蔵書も半分以下になる見通しです。

また、再編で規模が縮小されてしまうと、現在40人を超えるボランティアが活動し、年間2000人を超える子どもたちが利用している、読み聞かせの会を開くスペースがなくなってしまうおそれもあるのです。

(図書館の利用者)
Q.地域に図書館があると 子育てのしやすさはある?
「もちろん近くだったからありがたかったので、(このまま図書館が)あってほしいですね」

一方こちらは、名東図書館の近くにあるNPOの子育て応援拠点。

子供用の紙芝居や絵本などは名東図書館から借りているもの。図書館の司書に選んでもらった絵本を、1回20冊ほど借りることで活動ができています。
(読み聞かせのボランティア)
「子どもたちが(本を)手に取って選ぶ“場”もなくなるし…」
「名東区の文化がなくなってしまう」

こうした声をどう思うのか。
名古屋市教育委員会に聞いてみると…
名古屋市教育委員会 磯部裕司 主幹)
「人口が減っていく中で、今ある施設をこれからも維持していくという事はなかなか難しい。やはり一定の選択と集中はしていかなければならない」

名古屋市教育委員会の担当者はこのように述べ、計画通り大規模再編を進める方針を示しました。
人口の多い中心部には本が増え、他では減ることになる今回の図書館再編。
図書館学を研究する専門家はこう話します。
(都留文科大学 図書館学 日向良和 教授)
「財政規模がそれなりにある名古屋市のような政令指定都市の中で、施設の統合、特に図書館の統合を検討する必要性に疑問を感じるところですね。維持できるのであれば維持していくべきだと思ってます」

一方、使いやすい魅力的な図書館のヒントが、意外と近くにありました。