音を立てて流れ込む茶色く濁った水。

木の枝や木の葉も一緒に建物の広い範囲に広がっていきます。


これは6月2日、愛知県蒲郡市の旅館で撮影された動画です。

ここでも大規模な浸水被害が起きました。

(平野屋 平野寛幸社長)
「山からの水が、どんどん入ってきてしまって」


蒲郡市の老舗温泉旅館「平野屋」。

主に被害が出たのは、大浴場などがある1階部分です。

ぱっと見た感じは、きれいな床に見えますが…。


(平野屋 平野寛幸社長)
「実は、ここの下も浸水しているんです。ここら辺まで泥があるんですが…」

床に近い高さの壁には乾いた泥の跡が。


さらに、旅館の電気系統を管理する「変電室」には3日後の5日も、まだ水が残っていました。

そして、一面が川のようになっていた更衣室は、不眠不休の清掃作業で何とか元の状態に戻っていましたが、水は奥にあるサウナの休憩スペースの辺りから流れ込んでいたといいます。


(平野屋 平野寛幸社長)
「被災した時は、もっとすごい水量で。排水が追いつかない(状態)」

サウナは、ことし4月にオープンしたばかりで、この旅館の新たな売物の施設。

コロナ禍で落ち込んだ観光客も、サウナブームと相まって徐々に増え始めていた直後に起きた被害でした。


(平野屋 平野寛幸社長)
「(Q:サウナの完全復旧は、いつ頃に?)今月中には、したいと思いますが。業者も、すごく忙しい中、うちの仕事を入れてくれているみたいなので。早めに復旧したい」

旅館の被害総額は2000万円以上。

自然災害への備えの必要性を、これまで以上に感じたといいます。


(平野屋 平野寛幸社長)
「自然と隣り合わせで商売をさせていただくのは、いろんなリスクに備えないといけないと改めて感じました」