水道水の無料提供…イチジク農家は4往復

このように、農業用水の供給停止は、農家にとって死活問題。そこで…

安城市は緊急措置として、市内の農家に、23日朝から、水道水の無料提供を始めました。

対象は、安城市内に水田などの耕作地がある農家で、北部浄水場、中部配水場、南部浄水場の3か所に、タンクを持参すれば提供を受けられます。

(安城市のイチジク農家 浅井丈夫さん)
「水がないと、イチジクの生育状態が悪いので水を運んでいる。そりゃあ家庭で水をくんで運ぶより助かります」

イチジク農家の浅井さんは、浄水場まで何回も往復。提供された水道水を畑に持ちかえり、水やりの作業に追われました。

(安城市のイチジク農家 浅井丈夫さん)
「今ので4往復目。これで1回水をかければ、2、3日は大丈夫なので安心」

一方、供給が再開されている「工業用水」にも問題が。

工業用水不足でゴミのピットが満杯に!?

(衣浦衛生組合業務課 田中秀彦課長)
「こちらのごみ焼却施設で、工業用水を使って冷却しています

ここは碧南市のごみ処理施設「クリーンセンター衣浦」。毎日およそ140トンの愛知県碧南市と高浜市のゴミが運び込まれ、2つの焼却炉を使って処理しています。

その機械などを冷やすため、1時間に8000リットルもの工業用水が必要となるのですが…。

(衣浦衛生組合業務課 田中秀彦課長)
「3割の工業用水と、残りは水道水を使って冷却しています」

工業用水は供給再開といっても使用量の制限があり、水道水を使って機械を動かさなければならないのです。それでも機械を冷やす水が足りず、2つある炉うちの1つしか稼働していません。

このため焼却が追い付かず、6月上旬にはゴミのピットが満杯になる恐れがあると心配しています。

(衣浦衛生組合業務課 田中秀彦課長)
「できる限り、通常通りの工業用水の供給を進めて欲しい」