人気の観光地ではゴールデンウィークを前に賑わいが戻りつつある一方、長かったコロナ禍で、人員削減などを進めた観光業界では人手不足の問題も起きています。


190年以上の歴史を持つ三重県鳥羽市の老舗旅館「戸田家(とだや)」。

(戸田家 加藤直広統括支配人)
「3日、4日、5日までいっぱい」「例年になく予約が早かったですね」

ことしのゴールデンウイーク期間中、予約率は100%を超え、連日、キャンセル待ちの状態に。


これを見越して、旅館ではこの春、例年のおよそ2倍となる18人を、新入社員として採用しました。

あいさつや料理の配膳など、ベテラン女将が先頭に立ち指導しています。

(女将・寺田まりさん)「裏方もはじめすごく人手不足なので、そういう所をおぎなってもらえるように心を込めて準備するようにと」


3年あまりにわたるコロナ禍で利用者の減少が続く中、仕事が少なくなり、やめていった人も多く、コロナ禍前におよそ250人いた従業員は、一時、およそ200人に減りました。

人手不足の影響で経理や総務の担当者が仲居さんとして接客をしたこともあります。コロナ禍の出口がようやく見えてきた中、新入社員は…

(新入社員)
「ゴールデンウィークに来る客も今まで以上に増えている。自分自身も少し焦ってしまう部分があると思うので、そこを頑張りたいと思う」

また、外国人も積極的に採用しました。5月8日で終了する予定だった新型コロナウイルスの水際措置が前倒しされることになり、インバウンド需要に対する即戦力として期待されています。


回復しつつある宿泊・観光需要。

(寺田順三郎社長)「我々も期待大にして待っている」


迎え入れる側も態勢の強化を急ピッチで進めています。