再来年に任期満了を迎える次の名古屋市長選挙に、国民民主党の参議院議員の大塚耕平さんが立候補する方向で検討していることを明らかにしました。大塚さんのこの表明はなぜこのタイミングだったんでしょうか?


(大石邦彦アンカーマン)
27日午後開かれた大塚さんの会見を聞いていましたが、立候補正式表明かと思いましたら、そこまでトーンは強くなかったですね。


なぜこのタイミングなのか、「総理を狙う男の動向」が鍵を握ってるんですね。総理を狙う男というのは、大塚さんではありません。名古屋市の河村たかし市長なんですね。


河村たかし市長、おととしの12月にインタビューしました。このとき、河村市長は、名古屋市長はもう4期で終わりだとしてですね、次の市長選には出馬しない考えを示していました。

国会議員になるんですかというふうに私が聞きましたら、河村市長は「総理を狙う男じゃないといかんもん」と、衆院選への出馬をにおわせていたんですね。

現在、河村市長74歳です。最近の口癖は、八事霊園から電話がかかってきとるとか、八事霊園に片足突っ込んでるという話をします。

これは、政治家としての時間がないことを本人も気にしていまして、衆院選があれば、次は立候補する可能性が十分あるというふうに見られるんですね。

国会議員とか総理を考えてるのが頭のどこかにありつつ、名古屋市長を4期務めてきた。次の市長選というのが2025年ですから通常であれば2年後なんですけど、まだ先に感じるんですよね。

なぜこのタイミングなのかということなんですけども、次に衆院選があればですね、国会議員になりたいという河村市長がいます。

そうするとこのポスト開きますから、ここに大塚さんが立候補する可能性が考えられます。


このタイミングというのは実はですね、広島サミットが来月ありますが、その後に解散総選挙に岸田政権打って出る可能性が十分あります。地元でのサミット開催というのはですね、G7を仕切りますから、見栄えがよくなります。

支持率が上がる傾向があります。

現在も支持率上がり傾向なので、その勢いで解散総選挙に秋口にかけて打って出る可能性があるんですね。


そうすると河村市長、そっちで立候補する可能性がありますので、大塚さんももう今のタイミングから出馬も考えているということでこういった表明になってるのかなと思いますけどもね。

2年後の話で早いなと思ったんですけど解散次第では前倒しになるかもしれないし、地ならし根回しを考えるとやっぱり今になってくると。

はい。最近のやはり先を見越してということだと思うんですが、国会議員から各自治体のトップへという動きは、最近のトレンドでもあります。

東京都知事の小池百合子さんもそうですよね。大阪府知事の吉村さんもそう。最近で言うと群馬県知事の山本一太さんもそう。大村知事もそうですよね。


そして実は、名古屋市の河村市長も、衆議院議員、国会議員から自治体トップの転身組となります。国会議員というのは政党にも所属しますし、権限は実は限定的です。

一方、自治体のトップになりますと、予算案作ったり執行もできますし、人事権もある。なので、こういう政治をやりたいと考える人にとってはですね、ダイナミックな政治はしやすいということも考えられますよね。

今度の名古屋市長選、これはどうやら衆院選と連動してきそうです。