人気の物産展で賑わう、愛知県一宮市の名鉄百貨店一宮店。しかし、来年にも閉店する方針であることがわかりました。百貨店文化の灯が、またひとつ消えようとしています。その背景を取材しました。

北の大地の旬の味覚や絶品スイーツが並んだ、愛知県一宮市にある名鉄百貨店一宮店の「春の北海道物産展」
初出品のグルメや、握りたてのお寿司などに、お客さんも大喜びです。
(客)
「おいしかったです。アワビとサクラマスが最高でした」

こうした物産展は、百貨店のいわば”キラーコンテンツ”のひとつ。しかし、この店が来年にもなくなる見通しであることが分かりました。

(市民)
「ここだけが唯一の頼り、残念です」
名鉄百貨店一宮店は2000年11月にオープンし、ピーク時の2003年には、約111億円の売り上げがありました。しかし、2022年の売り上げは約59億円と、ピーク時の半分ほどに落ち込んでいました。
(市民)
「申し訳ないがあまり私も利用しないので…。駐車するのに不便だし、車で動くのでその点で不便さはある」
競合する大型商業施設や、インターネット通販の普及、さらに、コロナ禍による販売不振が大きな打撃となりました。

市の玄関口の顔でもある百貨店の閉店について、市のトップは…
(一宮市 中野正康市長)
「寂しさはありますよね。ただ、これだけ変化が激しい時代だから、ビジネスの見直しはやむを得ない。我々としては新しい商業施設(を検討)と聞いているが、次のステップに期待している」
近く、正式な発表があるとみられ、閉店後は親会社の名鉄が、駅に直結する立地を活かし、新たな商業施設などを検討しているとみられています。
