岐阜県高山市では4月14日から「春の高山祭」が始まります。

「からくり奉納」が目玉ですが、もう一つの呼び物「獅子舞」に挑戦する女子中学生に注目しました。


「春の高山祭」と言えば「からくり人形」を持つ3台の屋台による「からくり奉納」が最大の目玉ですが…、実は「獅子舞」も見どころなんです。


(森下町獅子舞保存会 一本木幹雄代表)
「きょうが最後です。一生懸命やってください」


76年の歴史を持つ高山市森下町の獅子舞保存会では、この日、祭本番に向けて最後の全体練習を行いました。

所属する子どもたちは現在約80人。

最近、その顔ぶれにはある「変化」が…、「女子メンバーの加入」です。


(森下町獅子舞保存会 一本木幹雄代表)
「男の子とか女の子とか、とっぱらって。やりたい子を受け入れようと」


これまで獅子舞を踊るのは「男子だけ」でしたが「より多くの人に伝統を継承したい」と4年前から女子も集めるように。

その初めての女子メンバーが、ことし中学2年生の水本奈々さんと長谷川千夏さんです。

(水本奈々さん:13歳)
「(小学)3・4年生の運動会の時に学年種目で獅子舞をやって、すごく楽しかったので」
(長谷川千夏さん:13歳)
「女の子が1人もいなくて、1人だと不安だったけど。偶然、奈々も一緒で。それで『やろう!』と思いました」


保育園の頃から10年程、仲がいいという2人。2人で獅子を演じる獅子舞でもペアを組んでいます。

(水本奈々さん:13歳)
「動きがズレると『格好が悪い獅子舞』になっちゃう」
(長谷川千夏さん:13歳)
「大変だけど『根性』で頑張ってます」

前と後で息を合わせて連動することが何より大事。そんな2人に続いて、今では女子メンバーも9人に増えました。

(ことし入った女子メンバー)
「分かりやすくて覚えられたので、よかった」
「引っかかって間違った時に助けてくれたので頼りになる」


しかし、水本さん長谷川さんの女子2人が4年前に初めて加わってから、おととしまではコロナで中止に。

去年も雨のために満足に披露できず、コロナ禍以前のような完全な形で獅子舞が披露できるのは2人にとって今回が初めて。その意気込みは…。

(水本奈々さん:13歳)
「いろいろな国の人とか、他県の人が来るので緊張とかもある」
(長谷川千夏さん:13歳)
「観光客とか見に来てくれる人たちを喜ばせられるようにしたい」


一方の「からくり奉納」、きのうは「からくり奉納」をする3台の屋台のうち、「三番叟(さんばそう)」の屋台で最後の練習でした。


三番叟の「からくり」は右手に「鈴」、左手に「扇子」を持った「童子」が「翁」に変身するのが見どころで、7人が25本の絹糸を使って人形を巧みに操ります。

このうち「舞」の動きを担当するのは、7人の内ただ一人の「女性」丸野雅代さん(46)。

「からくり」の責任者で父親の純一さんの指導を受け、力加減を確認しながら練習してきました。

(丸野雅代さん)
「最初は(女性が)他にいなかったので不安で。本当にやっていいのかなって。祭りを守っていきたい気持ちはある」

天候に恵まれれば、4年ぶりに例年通りの開催となる春の高山祭。「獅子舞」、「からくり奉納」と、女性たちがそれぞれの思いを祭本番にぶつけます。