将棋の藤井聡太五冠が順位戦のプレーオフに勝ち、最も歴史のあるタイトル「名人」への挑戦を決めました。最年少名人、さらに七冠達成も視野に入ります。


きのう(8日)、東京の将棋会館で「名人」の挑戦権をかけて行われた、藤井聡太五冠と広瀬章人八段によるA級順位戦のプレーオフ。藤井五冠が勝てば史上最年少名人への扉が開かれます。振り駒の結果、藤井五冠の先手で始まった注目の大一番。

こんな場所でも声援が送られました。

(ハチワンダイningバー 稲垣直人代表)
「ここは将棋バー。将棋を指しながら、お酒を楽しめる。(きょうは)終局まで営業する。(長くなる可能性もあるが)その覚悟で」

名古屋市千種区にある将棋バー。きのう(8日)は午後8時頃から熱狂的な将棋ファンが集まり始め、勝負の行方を見守りました。
(将棋ファン)
「藤井聡太五冠は(将棋の)常識を一気に覆した。いい感じで勝ってくれるのがうれしい」
「きょうは世紀の一戦なので、もし勝つシーンを見逃したら一生悔いが残りそう」

持ち時間それぞれ6時間という長時間の対局は一進一退の攻防が続きます。やがて藤井五冠の勝利が見えてくると…。

(将棋ファン)
「13手詰め。あ~詰むんだ、これ。この間と同じパターン。今度は間違えないで」

午後11時45分。ついに藤井五冠が125手目で勝ち、名人への挑戦権を獲得。将棋バーで見守っていたファンからは拍手が起きていました。藤井五冠は終局後の会見で。

(藤井聡太五冠)
「名人戦は大きな舞台なので、それにふさわしい良い内容の将棋が指せるよう頑張りたい」
藤井五冠は6歳のバースデーカードに「めいじんになりたい」と書きました。
(藤井聡太五冠)
「将棋を始めたのが5歳なので、6歳で(名人を目指すのは)大きく出たなと思います。当時の自分に教えてあげたい」
名人戦七番勝負で渡辺明二冠に挑戦する藤井五冠。タイトルを奪取すると谷川浩司十七世名人の持つ「21歳2か月」という最年少名人記録を40年ぶりに更新します。さらに現在並行しているタイトル戦を制すれば七冠達成も視野に入ります。
(藤井聡太五冠)
「現時点で『七冠』という数字を意識することは全くないが。王将戦や棋王戦で2つ勝って、反省点や課題があったと感じている。それを名人戦に生かしていけるよう頑張りたい」
深夜まで見届けたファンは。
(将棋ファン)
「ほっとしました。きましたね~、史上最年少名人が見えてきましたね」
「史上最年少名人もそうだし、東海地方初の名人誕生なので非常に期待している」
名人戦七番勝負は4月5日、東京で開幕します。