日本への避難民の中にはウクライナに帰国する人も

現在、日本で生活するウクライナからの避難民はおよそ2302人(出入国在留管理庁 2月15日現在)。デルカッチさん一家のように日本での生活に馴染んだ人たちがいる一方で、違うケースもありました。

2022年5月、首都・キーウから名古屋に避難してきたマリアさん。

(ウクライナから避難・マリアさん)
「ウクライナとは全く別の世界にいるみたい。同じ世界とは思えない」

当時、母親はポーランドに避難し、父親と兄は今もウクライナに。現地に家族を残し、葛藤を抱えていました。そんなマリアさんに日本に来るよう強く勧めたのは、名古屋に住む叔母のマリーナさんでした。マリアさんを実の娘のように思っています。

(マリアさんの伯母・マリーナさん)
「ウクライナにいて仕事もできない、住むところもない、勉強もできない。人生を止めないように、人生を止めるのはもったいない」

その後、マリアさんは名古屋で平和を訴えるデモ活動に参加。仕事や日常生活に生かそうと日本語教室にも通い始めました。しかし2022年12月、マリアさんはポーランドに避難する母親に会うため日本を離れ、そのままウクライナに帰国したといいます。

日本にやってきた避難民の中には、マリアさんのように帰国したり別の国に移ったりする人が、これまでに100人ほどいます。

(マリアさんの伯母・マリーナさん)
「(ウクライナに)帰ることはずっと理解できなかったけど、今はもう仕方がないと思っている。いくらいろいろサポートしてもらっても、みんなすごく感謝の気持ちはあるけど(避難民は)すごく帰りたい」

軍事侵攻が始まって1年。ウクライナに対し、ドイツは最新の戦車を提供。アメリカは、バイデン大統領が5億ドルの援助を約束しました。

それは戦争がまだまだ続く可能性があることを意味します。国民にとって不幸でしかない戦争はいつ終わるのか。不安と共に避難民の暮らしは続きます。

CBCテレビ「チャント!」2月24日放送より