遠く離れた日本で心配しているのは、トルコを襲った大地震で連絡が取れなくなった親友のこと。岐阜県恵那市でトルコ料理店を経営する男性が故郷を支援するために始めたこととは…。

岐阜県恵那市にあるトルコ料理店「アンベルカプ」。
(アンベルカプ店主 カープゾグル・イブラヒム・ハリルさん)
「電話出ない…。まだ電話出ないです」

店主のカープゾグル・イブラヒム・ハリルさん(31)。現地に暮らす親友と地震発生以降連絡が取れず、不安な毎日が続いています。

(トルコ料理店「アンベルカプ」 ハリルさん)
「たくさんたくさん電話しているけど、全然出ない。(親友が)死んじゃったとは、あまり考えたくない」



一時、連絡が取れなかった両親と妹の無事は確認できましたが、家は倒壊の危険で住めなくなり今は仮住まいの暮らし。零度を下回る寒さが続き、地域によっては、ガスや水道も止まり、食料も足りない厳しい状況だといいます。

(トルコ料理店「アンベルカプ」 ハリルさん)
「食べる物ない、飲み物もない。ない人は本当に何もない」
各国の支援も十分に行き届いておらず、ハリルさんの父は、知人の食品会社と協力し、被災地の公園などで炊き出しを始めたといいます。

イギリス留学中に出会った4つ年下の紗彩さんと結婚し、5年前に来日したハリルさん。2人の子供を育てながら、2月3日に念願のトルコ料理店をオープンしました。その矢先に発生した故郷での大地震。

(トルコ料理店「アンベルカプ」 ハリルさん)
「たくさん人が死んだ。家族は元気だけど、友達は…。私は地震の日に考えた。日本から何ができるか」

すぐにランチなどで義援金を上乗せしたチャリティーメニューの提供を始め、1週間で約20万円が集まりました。このお金をトルコにいる父に送り、炊き出しの費用にあててもらうといいます。

連絡が取れない親友を思うと、眠れない日もあるというハリルさん。しかし、日本で広がる支援の輪に気持ちが救われているといいます。

(トルコ料理店「アンベルカプ」 ハリルさん)
「日本人は本当にトルコ人と仲良し。すぐに、みんな募金箱にお金を入れて(チャリティーの)ご飯食べて、また来てくれた。本当にありがたい」