ロマン砲を卒業します

2026年シーズン、ドラゴンズは開幕早々からケガ人続出でメンバー固定のオーダーを組むことが難しかった。ただ得てしてこのような非常時にニュースターは出現するものであり、チームのピンチを救うべく、持ち前である長打力を発揮し始めたのが未完の大砲・鵜飼航丞選手である。
今年2月の沖縄キャンプでのこと。監督、コーチ、そして選手を前にしての朝礼挨拶で彼は決意表明を発した。
“ロマン砲を卒業します”
当たればどこまでも遠くへ飛んでいくボール。ただ待ってもなかなか大成しない。いつしかドラファンの間では鵜飼選手を“ロマン砲”と称し始めた。本人からしてみれば嬉しくない愛称。チーム関係者を前にしての一声はまさに決別宣言ともとれる発言であった。
そう口にして迎えた今シーズン。開幕一軍こそ逃したものの、2026年6月6日終了時点で32試合出場、96打数27安打4本塁打12打点、打率.281と自慢の長打力を武器にここまで合格点を与えられる成績を残している。
“バットにさえ当たれば”
鵜飼選手にはそんなイメージをつい持ちがち。しかし今のところ打率もまずまず。ズバリ、何が変わったのか?
鵜飼選手「(バットの)ヘッドが自分の思っているところで走るようになってきているので、打球も飛ぶようになって、(打球)音も良くなっています」
今まで力ずくで打っていたものが、徐々にではあるが上手くバットを利用できるようになってきたと、進化した自身の姿を口にした。昨年の高知秋季キャンプでバットを振り込む中でその“気づき”を感じ取ったという。“量からやらないと分からないタイプ”と自身を語る鵜飼選手。振って、振って、振り抜く中でようやく見つけることができた鉱脈であった。










