創業110年を超える岐阜県の喫茶店の名物モーニングに、値上げの波が押し寄せています。その背景には様々な原材料の高騰がありました。


岐阜県多治見市の喫茶店「さいわい」。

地元客で賑わう、創業112年の老舗です。

人気メニューはコーヒーを注文するとトーストやドーナツなどがついてくる11種類のモーニング。

最も安いもので400円と「安さ」が魅力でしたが。

(さいわい 小島幸彦オーナー)
「4月から450円に値上げというのは、ウクライナ侵攻が起きた時から考えていた」

パンやドーナツなど小麦製品が欠かせないモーニング。

原油高やロシアのウクライナへの軍事侵攻などの影響で、小麦の仕入れ価格が約2割上がったことから、4月からモーニングの価格を50円値上げしました。

(さいわい 小島幸彦オーナー)
「(小麦の仕入れ価格について)業者から1パーセント上げますということはあったが、2割上がるのは初めての経験」

値上げに踏み切った理由は小麦だけではありません。

(池田有希・記者)
「モーニングに欠かせないのがコーヒー。しかし、このコーヒー豆が値上がりし、深刻な影響が出ています」

追い打ちとなったのはコーヒー豆。

こちらも仕入れ価格が去年に比べて約2割上がりました。

去年、一大産地のブラジルで起きた記録的な「寒波」や、新型コロナのパンデミックから少しずつ経済活動が戻ってきたアメリカなどでの消費の急増が影響しているといいます。

(さいわい 小島幸彦オーナー)
「今回20年ぶりの値上げ、原材料の高騰で。苦しいですが、やむを得ない」

オーナーの決断に、常連客は。

(常連客)
「いろんなものが値上がりしているので、いつかは来るかと覚悟はしていた」
「べつに50円くらい値上げはと思うけど、安いに越したことはない」
「まあ仕方ないかな。コロナしかり最近はロシア。それなりに対応して生きていかないといけない」

(さいわい 小島幸彦オーナー)
「値段を上げさせてもらった分、目だけでもいいし、仕草でお客様に感謝の気持ちを表そうと笑顔・笑顔で毎日います」